Stap事件 ―  小保方氏の研究パートは有益な事実⑨          === 若山氏が残した研究成果と問題点 ===

2011年4月6日~2013年2月28日まで、小保方氏が理研CDBゲノム・リプログラミング研究チーム(若山研)の客員研究員時代に、若山氏は、Oct4陽性スフェア細胞を活かし、
「キメラマウス作製こそが最重要なデータであり、iPS細胞のような(無限に増殖できる)幹細胞ができるかもしれない可能性を追うことを目的とすべきだ」
との構想に強い執念を持っていたことが、小保方著「あの日」から窺い知ることができる。
彼にとって、iPS細胞に対抗しうる全く別のメカニズムの万能細胞実現で一旗揚げる可能性を強く抱いていたということだろう。
そして、その目論見は僅か1年半で、キメラマウス作製に成功し、STAP幹細胞株樹立し、iPS細胞以上の万能性に繋がるFI幹細胞株樹立を成し遂げる。
 
当然、nature 論文の脚光は、若山氏の成果部分にある。
理研が飛びつき、日本の学会そして世界が、期待と疑いの目で注目した。
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ノフラー氏が論文不正問題発覚直後の2月末頃に、若山氏にES 細胞混入の疑惑を質問している。若山氏はES 細胞混入環境は無く、STAP再現性問題から逃げない姿勢を示した。 
しかしながら、最も必要な、細胞生物学に必須のマウス遺伝子系統の事前把握と管理が若山氏に欠如していたことは、事後にSTAP幹細胞の解析を慌てて依頼していることから明白である。
「材料の履歴管理」が「科学的説明の重点要素」で、成果物の土台なのだ。
自らが研究開発したSTAP幹細胞株にES細胞混入の余地はないと明言した言葉は、後からどんどん指摘され遺伝子解析されていく意外な遺伝子背景に翻弄され、ES細胞混入を否定できない事態に追い込まれ、あっさり撤回する程に困惑した。
それは自らが徹底管理し把握しておくべき使用したマウス、卵(胚)の遺伝的履歴が曖昧で、複雑に交錯する試料の科学的説明根拠を喪失したからである。
あれほどES細胞はあり得ないと言った若山氏は我身に降りかかるES細胞疑惑を払拭できる見通しを消失し、科学者にはあるまじき異様な行動で、小保方氏の無力を良いことにして全責任を転嫁して逃げたとしか思われない。
それがStap事件拡大の根幹となったと思うのである。
 
参考に、以下に簡単に若山氏の成果と問題点を列挙した。
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【若山氏の成果と問題点】

(論文の要であるキメラマウス作製と無限増殖する幹細胞株樹立計画)
 
A.若山氏が決めた実験方法
 
a) 若山氏が、雑種の赤ちゃんマウスの準備とそれを使ったOct4陽性スフェア細胞の作製日程決定
b) その赤ちゃんマウス※を若山氏から1週間前に渡されて、小保方氏が、Oct4陽性スフェア細胞の作製して若山氏に渡す
             ( ※ 129XB6F1マウス ) 
c) 若山氏が、卵の準備、移植するお母さんマウスの準備し、若山氏が、キメラマウスを作り、STAP幹細胞株及びFI幹細胞株の樹立実験を実行
 
B. 成果
 
① Oct4陽性スフェア細胞塊(STAP細胞塊)をバラバラの細胞にする従来法ではキメラマウス作製は困難と判明
② STAP細胞塊をマイクロナイフで切り刻んだ細胞塊を初期胚に注入することが決め手となってキメラマウス作製に成功 
③ ES細胞樹立用の培養液でSTAP細胞を培養することにより、STAP幹細胞株を樹立した。(「特殊な手技を使って作製しているから僕がいなければなかなか再現がとれないよ。世界はなかなか追いついてこれないはず」)
④   Oct4陽性スフェア塊(STAP細胞塊)から作ったキメラマウスには胎児と胎盤が形成されていることを発見
⑤ TS細胞の幹細胞培養する培地でSTAP細胞を培養して、FI幹細胞株を樹立
 
C. 発生したSTAP幹細胞に関わる不可解な問題点   *日付は全て2014年〇/〇
 
1 従来の細胞塊を酵素処理してバラバラにした細胞はキメラマウスにならず、切り刻んだ塊だと成功した
2. 若山氏が小保方氏に渡したマウスと異なるマウス系統の遺伝子が2株の幹細胞に見つかる。即ち、18番染色体にGFP挿入マウスを渡し、戻ったのは若山研には無い15番染色体にGFP挿入マウスの細胞(6/16)
      ⇒上記結果は間違いで、元々渡したマウスには15番染色体にGFP挿入された大阪大学作製で若山研飼育マウス(7/18)
      更に15番染色体遺伝子はアクロシン遺伝子(若山研でアクロシンGFP組込みES細胞を作製していた) ※
( ※ 7/22 NHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」で放送 )
3. Oct4陽性スフェア(STAP細胞)には見られたがSTAP幹細胞にはTCR再構成が見られない
4. STAP幹細胞の全てにおいて8番染色体にトリソミーが認められる(遠藤高帆氏と東大それぞれの独自解析)
5. 遠藤高帆氏の解析考察から、FI幹細胞はTS細胞とES細胞が1対9の割合で混合したもののようだ
⇒12/19 丹羽仁史氏の重要な証言 (日経サイエンス古田彩記者の質問に答えて)
「(FI幹細胞培養条件で培養した場合)…我々が持っているES細胞に関しましては、特に形態変化を示すことなく、4~5回の継代後には全滅しています」→ES細胞はFI幹細胞の培地Fgf4では増殖しないことを証言
6. Oct4陽性スフェア(STAP細胞)から作った、キメラマウスの光る胎盤の桂調査報告が無い(ES細胞では説明不可現象)
⇒ 4/8理研STAP細胞検証計画記者会見で、丹羽仁史氏の重要な証言
「・・・・免疫染色等で確認すべきだとの意見もありましたが、まさにそういう手段を用いて、かつ胎盤実質細胞で発現するマーカーとの共染色をもって、確かにSTAP細胞由来と思われるGFP陽性細胞が胎盤組織にインテグレートしていることをみています」「はい、少なくとも、切片を顕微鏡で自分の目で見ました」
7. STAP幹細胞13株のGLSシリーズの性別が解析結果に関わらず、♂になったり♀になったり
8. 桂調査報告: STAP幹細胞株すべての正体はES細胞由来のものであると結論付けした(12/26)
 
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若山氏側の幹細胞の問題は深いものがあるが、小保方氏側の潔白はいずれ認知されるものだと思う。
 
尚、若山氏側には、いろいろな実験上の管理ミスなどがあったことは明白だが、若山氏の残した成果物や検証の中で指摘された様々な問題点に対して、科学的観点から解析データのみではなく、反証的な立証実験などによって、科学的な現象究明の材料として検討していくような、科学界の見方も出てきてよいのではないだろうか。

Stap事件 ―  小保方氏の研究パートは有益な事実⑧          === 小保方氏が残した研究成果 ===

2008年から2012年頃までに、小保方が研究し、残されたままで、十分に科学コミュニティーで議論されてしかるべき研究成果と思われる事項を記載する。

本来、小保方氏自身がやり遂げてきた下記成果をnature誌のアーティクル論文として投稿を狙ったのだが・・・・・

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 【小保方自身の成果】 

① 3胚葉体細胞から、スフェア細胞を作製した(バカンティ仮説スポアライクステムセルにヒントを得て)
② そのスフェア細胞はRT-PCR法によってOct4陽性であり、初期化の可能性を立証した
③ 培養系での分化培養実験で、Oct4陽性スフェア細胞が3胚葉すべてに分化することを立証した  (バカンティ研メンバーとともに確認)
④ バカンティ研の得意とする組織工学技術で、テラトーマ様の組織になることを、3胚葉すべてにおいて立証した  (バカンティ研メンバーとともに確認)
⑤ 物理化学的な外部ストレスによって、Oct4陽性スフェア細胞が形成されることを発見した   (細いガラス管通過ストレス、浸透圧ストレス、熱ストレス、ストレプトリジンO薬剤ストレス、飢餓状態ストレス等)
⑥ キメラマウス実験で、外観は既存のキメラの特徴は無いが、2種類の遺伝情報が1匹のマウスに混在することを確認した
⑦ Oct4陽性発現によって、細胞質内のミトコンドリアの量及び活性関連遺伝子の発現量減少傾向を検出した
⑧ 細胞核内を操作によって幹細胞化する従来法に対して、細胞質を操作して幹細胞化の着想をストックしたままになっている
⑨ ATP(アデノシン三リン酸)添加のpH5~5.8緩衝液がOct4GFP陽性の緑に光る細胞塊形成に有効なことを検出した
⑩ 生体内実験で、外傷モデル(マウスの肺や足の筋肉の外傷)と逆流性食道炎胃酸ストレスにてOct4陽性細胞を検出した ( ※ 米国iMUSCs論文と等価性のある発見と考えられる )  “Characterization of an Injury Induced Population of Muscle-Derived Stem Cell-Like Cells.Sci Rep. 2015 Nov 27;5:17355. doi: 10.1038/srep17355.”
⑪ 細胞採取にストレスのかからない細胞種として、リンパ球が適切と判定した
⑫ ライブセルイメージング実験により、細胞分裂を伴わず、細胞が小さくなりつつGFP緑色蛍光を発する現象を捉えた  (若山研メンバーと共に実験)
⑬ iPS細胞のような細胞分裂を伴わずに初期化する細胞の変化過程のメカニズムを予想した
⑭ iPS細胞作製と同様に、新生児マウス(赤ちゃんマウス)の使用によりOct4陽性頻度が向上できた  (若山氏の提言)
⑮ リンパ球から得たOct4-GFP陽性スフェア細胞の、TCR再構成を定性的に立証した
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海外の当該研究者は水面下で、小保方パート研究を探求している可能性は高いに違いないと想像する。
小保方氏がもし研究を続けられていたら、特に⑧の
細胞核内を操作によって幹細胞化する従来法に対して、細胞質を操作して幹細胞化の着想」
を研究を深めていただろう。
 
 

Stap事件 ―  小保方氏の研究パートは有益な事実⑦              ====  小保方バートは科学的に健全である! ====

前回は、理研のSTAP現象再現検証に関する相澤論文の査読者コメントに対する相澤博士の英文を意訳して紹介した。

今回は、その内容を吟味した結果、「小保方パート」は科学的に健全であり、若山パートに科学的解明すべき課題があることを述べようと思う。

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図A  小保方パートの検証実験実態 (査読者コメントへの相澤氏の回答より)

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 図B  キメラ実験に利用した胚のステージ

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① 笹井氏の残した命題

 

2014年4月16日、笹井氏は記者会見の中で、STAP論文の不正問題を重視し、「論文の信頼性が損なわれた」として止む無く論文撤回に賛同を表明した。これは、組織マネージャーとしては致し方ない事態となったからである。

しかし、「STAPは仮説だが、合理性の高い仮説である」という命題を残したまま、8月5日笹井氏は無念の最期を遂げた。 

笹井氏は「刺激惹起性多能性獲得(stimulus triggered acquisition of pluripotency)」した細胞の命名者であるが、、STAP細胞のこうした「外的な刺激の作用で多能性を獲得する」という常識を超えた現象を「STAP現象」と呼ぶような、強い確信を、その道の第一人者が持っていたことは決して忘れてはならない。

それは「STAP現象が存在しないとすれば共著者には加わっていない。」という発言に端的に表現されている。

STAP細胞としてぼくらが呼んでいるものは、いままで知られている細胞でないことは確か」とまで述べた。

あたかも、柳生石舟斎の切った芍薬の茎の切り口のように、STAP現象に関しての凡人には解せぬ鋭い言及であったと思えるのである。

しかし、笹井氏のこの痛切な命題を授け得たのは小保方氏のみだったとしたら残念至極な事であろう。

鈍感な吉岡伝七郎のような名ばかりの専門家や薀蓄垂れの評論家やメディア記者ではなく、宮本武蔵の感性を持つ者が科学コミュニティの中に必ずいると信じたい。

 

「科学的な重要課題」が「人為的なES混入捏造」事件に変貌

 

ES細胞の混入については真っ先に考えることで何度も確認をしており、ES細胞の混入では説明できないものが非常に多い。今、反証仮説でなるほどと思うものは見当たらない。」とこれまた重要な見解を提起していた。

しかし、理研は、そのような見解を無視するかのように、「人的行為による、ES細胞混入」という当該研究者が犯すべくもない最もお粗末な低次元な結論に導き、そればかりか、そうした結論を世間に巻き散らかして、小保方氏個人を晒し首にし、STAP研究を不法投棄したかのような極めて理不尽な決着の仕方だったと思うのは私だけだろうか?

笹井氏は組織マネージャーとして招いた責任を取ったが、科学者としては全く不本意な決着だったと草葉の陰から思っているに違いない。

もう一度思い起こしてみよう。

科学技術的観点で、「STAP現象仮説」を裏付ける具体的な事柄として、

1.STAP細胞の表面に、万能性を示すマーカー(Oct4-GFP)が現れた。その過程は、10以上の視野から観察できる動画に取られていて、偽造は不可能。

2.STAP細胞の大きさや形態は、今までに知られているどのような万能細胞とも異なる。

3.若山が行った実験で、キメラマウスの体内に胎盤ができた。他の万能細胞では、このような胎盤を作ることができない。

と笹井氏は述べていた。

それにもかかわらず、研究課程の一断面なのに非科学的な「人為的ES混入捏造事件」というお騒がせ事件へと理研もメディアも誘導してしまった。そのため笹井氏のあの「科学的な重要課題」の真面目な科学的究明は置き去りになってしまった。

結果として、理研の結論は事件の決着を告げるもので、「STAP細胞は架空の物」との一般認識で終わっていた。 

しかるに、小保方氏の著作「あの日」を読んで、刷り込まれた認識が一変した人は私だけではなかったようだ。

小保方氏が学生時代に早稲田大学東京女子大そしてハーバードで培った研究活動の延長戦上の研究課題、後の「STAP細胞」研究の一連の流れが分かったし、発想の原点もバカンティ先生の「スポアライク・ステムセル」仮説からのもので、バカンティ研ひも付きで、理研CDB若山研でのポスドクとしての研究活動だったことを知るにつけ、理研が出した結論の信憑性に疑問が生じるのは当然ではないだろうか?

そして、小保方氏は実験大好きな人物で、発想したことをすぐに試してみないと気が済まない性格の人物だと判るし、工夫しては試しまた工夫しては試す現物主義の凝り性だと判る。

研究好きなこのような人物が、失敗や過失はあるにせよ、大切な自分の研究をわざわざ捏造するなどありはしない。

彼女が、「本当はES細胞なのに継続的に架空のSTAP細胞を偽装し続けた」と考えることは下種の極みである。

理研は平気でその結論を下して決着つけたところが、人間業でなく組織業の無責任さだろう。

 

③ 研究活動の破壊で置き去りにされた命題 

 

「学術研究」は一種のサービス業ではある。

本来、「学術研究」とは自然、人間、社会におけるあらゆる現象の真理や基本原理の発見を目指して、人間が自由な発想、知的好奇心・探求心をもって行う知的創造活動である。 古来、人類は「宇宙とは何か、それを問う我とは何か」を問い続けてきた。 これらはすべて人類に内発する「知る」ことへの飽くことのない欲求に由来している。(www.nins.jp/tokusetsu/gakuzyutu-nani.php参照) 

要するに、様々な課題解決活動の継続の中で、知的財産を蓄積しながら、必要に応じて社会にそれらを還元するビジネスなのだ。「劇場型」娯楽のサービス業とは全く異質なものだ。

 

ところが、理研は、あたかも「劇場型」の娯楽サービス業まがいの演出をして、ES細胞やiPS細胞と同等以上の万能細胞の研究完成品と誤解させるようなSTAP細胞成果発表をメディアを通して披露した。この時からSTAP研究はSTOPした。この研究仕掛品STAP細胞の報道によって、科学者、科学記者、評論家、異種業界の人々、一般の門外漢達が一斉にメディア情報をもとにノーベル賞間違いなしと熱狂した後、論文の欠陥が見つかるや激しい批判やバッシングやブーイングの「劇場型」のヤジ馬騒動となった。

未だ最適条件ではなく出来たり出来なかったりだが、未知の新しい多能性現象を持つ細胞を紹介しただけなのだ。

 

小保方氏が、会見からたった3日後に、伝えた「報道関係者の皆様へのお願い」メッセージ には、

STAP細胞研究はやっとスタートラインに立てたところであり、世界に発表をしたこの瞬間から世界との競争も始まりました。今こそ更なる発展を目指し研究に集中すべき時であると感じております。」

と、まだまだこのSTAP研究は不完全な様々な問題点のある仕掛品だと訴えていたのだが・・・。

未完成の仕掛品なのだから、問題点はあって当然である。

論文リテラシーも指摘は甘んじて受けるべきだし、データと結果の非整合性も指摘は大いに歓迎である。訂正できる事は訂正し、科学的問題点は課題として取り組んでいくことになるのが科学技術研究の有り方である。

通常は科学コミュニティの中で議論されていって当然の発明発見テーマだ。

生物学者 和戸川氏も述べている。http://essay-hyoron.com/index.html

『小保方の研究に疑問を呈する研究者は、笹井の見解に論理的に反論しなければならない。 その程度のこともやらない(できない)研究者には、小保方を批判する資格はない。

全く当り前なことだが、科学的な問題は、科学的な議論をできる場で、徹頭徹尾科学的・論理的に討論しなければならない。』

 

ところが、新しい物や新しい現象を発明発見してそれなりの権威からもお墨付き貰って、投稿の厳しい査読も経て発表したら、逃げ場も失うほどの取材攻め、罵詈雑言、個人情報拡散し放題、村八分、療養生活そして博士号剥奪。

笹井氏は亡くなり、若山氏は山梨大で3猿を貫く。

小保方氏の研究活動は完全に閉ざされた。

そして、「STAPは仮説だが、合理性の高い仮説である」という命題は依然残されたままになった。 

④ [STAP HOPE PAGE と相澤論文                                                                            

理研が下した結論「人為的ES混入捏造事件」によって、日本の科学コミュニティーは「STAP」という言葉をまるで禁句にしたかのようである。

その静けさの中に、小保方晴子著「あの日」を出版した。これによって達が依然として「STAP」への関心が強いことが明らかとなった。

そして、小保方氏はホームページ「STAP HOPE PAGE」を立ち上げた。 

それは小保方氏が現状でできる最善の策として、良識あるSTAPに関心を寄せる世界の科学コミュニティに対し、真面な科学的議論とSTAP研究を深め、科学的に確かな立証の協力の願いであることが、Greetings に述べられている。

“Stap事件‐小保方氏の研究パートは有益な事実③ 『STAP HOPE PAGE は本物だ!』”で詳述したように、小保方パートは健全なものである。

それは最早、小保方氏の独善でも欺瞞でもなく、事実に向き合った科学者が証明している。それがSTAP検証実験の総括責任者であった相澤慎一博士である。

理研ホームページの「STAP現象の検証結果」( http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20141219_1/ )にはSTAP現象は何も再現できなかったことが平然と述べられている。

しかし、実際にSTAP現象の検証実験に立ち会った相澤氏が投稿した、

科学論文“Results of an attempt to reproduce the STAP phenomenon”(スタップ現象の再現性検証結果:http://f1000research.com/articles/5-1056/v1 )

において、査読者のIrene de Lazaro氏とAustin Smith氏のコメントに対する相澤氏の回答で、小保方パートは再現されており、「STAP HOPE PAGE」に小保方氏によって転記されている「理研CDBのSTAP検証実験」は公表されなかったが、真正なデータであることが良く判る。

Austin Smith氏が査読コメントに最初に表現したように、

『2つの論文は最早、複数のエラーや不正行為が認知されて却下されたが、撤回通知はその結果が再現性の無いことを述べてはいないのであって、ただ単に「STAP幹細胞現象が真実であるか否かを疑念を抱かずに言うことはできない」と述べているだけである。』

“Although the two STAP papers have now been retracted acknowledging multiple errors and misconduct, the retraction notice does not state that the results are irreproducible but only says “we are unable to say without doubt whether the STAP-SC phenomenon is real”.”

という言葉が、現状における「STAP現象」の科学的な真面な認識だと伝えているのである。

つまり、

  1. 「小保方パート」のSTAP細胞作製プロセスで、外的刺激で体細胞が初期化し多能化する現象は科学的に立証されていたという事実
  2. 「若山パート」のキメラマウスやSTAP幹細胞株化や胎盤形成などの万能性の再現の立証は無く、それが真実かどうかが疑問である事

が科学的な現状認識ということになる。

 

ただし、理研の検証実験には科学的な検証として、厳しい監視下で実施されたことは既に周知の事実だが、それ以外にも忠実な再現実験にはなっていない問題点もあったことが、相澤氏の回答内容から明らかとなった。

しかしながら、それにもかかわらず、小保方パートの確証がえられた事実は大きい。万能性活性が弱かっただけである。

 

⑤ 今後の課題 

 

1)  小保方晴子氏の研究者への復権

小保方パートに何ら捏造とは無縁でSTAP細胞は存在したと言える以上、研究者への復権を取り戻すことが第一番目の課題であるだろう。

 2)  若山パートにおける、キメラマウス実績やSTAP幹細胞株の実績は一体何であったのかの科学的検証が重要な課題となるだろう。

  

笹井氏の残した「STAPは仮説だが、合理性の高い仮説である」という命題は、今後は科学的な議論をできる場で、徹頭徹尾科学的・論理的に討論してもらいたいと心から願いたい。そのためにも小保方氏の研究者への復権を果たして、基礎研究でより確かな真理を追究しSTAP現象の細胞初期化の仕組みを解明してもらいたいものである。

 2016年10月7日の朝日新聞記事に『ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)は7日、同大で講演し、「日本人のノーベル賞受賞者が毎年出ていることで浮かれている状態ではない」と、短期間に研究成果を求める日本の現状に警鐘を鳴らした。』との事だが、我々も長い目でSTAP 現象の解明を見守っていきたいものである。

Stap事件 ―  小保方氏の研究パートは有益な事実⑥        Irene de Lazaro氏とAustin Smith氏の査読コメントに対する、相澤氏の回答

 

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2014年に理研の行ったSTAPの検証実験に関わった、総括責任者相澤真一特任顧問の当該検証論文が2016.6..1付の論文としてオンライン誌「F1000Research」に発表された。

https://f1000research.com/articles/5-1056/v1

その論文中に記載されたIrene de Lazaro氏とAustin Smith氏の査読コメントを、本ブログの“小保方氏の研究パートは有益な事実③http://ryobu.hatenablog.com/entry/2016/09/17/221617)と④http://ryobu.hatenablog.com/entry/2016/09/20/192250)”

に独善的な意訳を紹介した。(これらの記事を参照すると以下が理解しやすくなります)

今回は、2016年9月27日に相澤氏の回答が寄せられていたことを、

中村 公政氏のブログ「白鳥は鳥にあらず」( http://lunedi.sblo.jp/article/177108895.html )                      及び、tea*r*ak2氏ブログ「理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問」( http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/17560753.html )を見て気づき、またしても独善的な意訳をしてみた。

不適切な個所は多々あるかとは思われるが大筋は理解できるかと思われる。原文も転載したので参照ください。

 

☆今回の相澤氏の回答には、驚くべき重要な事柄が示されている。

あの理研の検証実験は、一言で言えば、

小保方パートの部分は予備的事項として公開がなされず、キメラ検証を主眼として、その失敗を示す検証になっていた。

その他にも、じっくり味わってみると、大変貴重な内容が暴露されていることに気付くであろうと思われる。

 

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【Irene de Lazaro氏査読コメントに対する相澤氏の回答】

Irene de Lazaro様                                                                              f:id:ryobu-0123:20161004034311j:plain                          

貴方のコメントに感謝します。貴方の提案を取り入れ、原稿を改訂しました。

私の回答は次の通りです。

 

1. ここで報告された監視下での実験を小保方が遂行したその実験室にはフローサイトメーター(FACS)はありませんでした。彼女は以前にはLympholyte-Mを使用して準備した脾臓由来のSTAP細胞を得ていましたので、今回の研究ではこれと同じことが再現できるかを究明しました。もし彼女が成功すれば、我々の計画では次回はFACSでソーティング(分別)したCD45陽性細胞を使ってSTAP細胞を生成しようとしていました。 

2. 取下げたNature論文において使用されたCAG-GFP遺伝子移植マウス系統の由来は明らかではなく、論文中に報告はありませんでした。若山博士はハワイ大学にいる間、彼はCAG-GFPマウス系統を自分自身で生成したと伝えてくれましたが、ここでは正式な調査をしませんでした。そのマウスの系統はもはやCDBの動物施設で維持されておらず、私たちは使用できませんでした。その代わりに、CAG-GFPマウス系統は、実際にはACR / CAG-GFPマウス系統(中西ら、Genomics 80、564-574(2002))であったかもしれません。このことは今野らによる報告(Konno et al., Nature 525,E4-5 (2015))で示唆されています。しかし、我々は小保方の再現実験開始後の報告時にこの可能性を意識するようになっただけでした。いずれの場合においても、元々のSTAP報告書に使用されたとの報告のあるCAG-GFPマウス系統は、現在の検証で用いたCAG-GFPマウス系統(岡部等.1997)とは異なるものです。そうゆうことがあったにせよ、CAG-GFP導入遺伝子の差がSTAP細胞の生成とかキメラ発現の効率に如何なる影響をもたらすかを想到することは困難です。 

3. 取下げたNature論文の図4aには、“STAP”細胞を注入した胚ははっきりとした透明体を持っています。

しかしながら、E4.5胚は、典型的には、もはやこのような構造を持っていません。透明帯が存在しない場合には注入は事実上不可能です。E0は一般的にプラグが識別された時、一日の午前0時のように定義されていることを記し、そしてE4.5はE3.5の誤植であるかもしれないと提示しています。あるいはまた、若山博士は人為的に胚の発育を遅らせた可能性もあります。しかしながら、このことは取下げたNature論文では報告されていませんでした。

4. C57BL / 6バックグラウンドで、細胞塊の形成効率がATP処理とHCl処理間で有意差があることを示す統計分析(t検定)を此処に盛り込みました。しかし、その差はわずかです。それに応じて原稿中の(Table 1 and page 5 in the text)を修正しました。 

5. 小保方によって生成された細胞塊の多能性はキメラ試験法を用いて示されており、このことが報告されたSTAP現象の中心的特徴であるので、ここに焦点を絞って検証しました。考察の中に記したように、本研究の時間の制約を考えると、他のデータは必要上で限られることになりました。本検証の焦点ではなかったので、可能性は高いとは思うが、観測された赤色蛍光が自家蛍光であったと私は断言できないのです。緑色蛍光を発する他の細胞塊には発現はなかったが、GFP発現に対するRT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)分析では、いくつかの凝集塊に有意な発現を検出しました。しかし、これらのデータは最高の状態で予備的なものとされ発表されることはありませんでした。 

6.  脾臓の遺伝的背景における、細胞塊形成とキメラ形成能の両方の効果をC57BL / 6とF1(C57BL6 x 129)バックグラウンドで検査しました。ES細胞培養は遺伝的背景が強く影響することが知られています。このような両方の背景が取下げた論文で使用されました。今回この点を明確にするために、原稿の(page 4 and page 6)を修正しました。

7. 丹羽レポートでの細胞凝集体は丹羽によって準備されたのであり、小保方によるものではありません。

8. その2つのレポートは、今回引用し、簡単にざっと考察(page 8–9)しています。これらの仕事は、キメラ試験法により多能性を調べていなかったが、本報告書の最も重要な問題は、小保方自身で調製した細胞塊がキメラ試験法で多能性を示さなかったということです。

 

Best regards,

 Shin Aizawa

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(原文) 

 

Author Response 27 9 2016

 Shinichi Aizawa, RIKEN Center for Developmental Biology, Japan

 

Dear Dr. Irene de Lazaro,

 

 I thank you for your comments. The manuscript was revised incorporating your suggestions. My responses are as follows:

   1.There was no FACS cell sorter in the laboratory in which Obokata performed the set of supervised experiments reported here. She had previously obtained “STAP” cells using splenocytes prepared using Lympholyte-M, so we sought to determine whether she was able to repeat this in the present study. If she had succeeded, our plan was next to generate STAP cells using CD45+ cells sorted by FACS.

 

2.The origin of the cag-gfp transgenic mouse line used in the retracted Nature papers is unclear, and was not reported in the papers. Dr. Wakayama informed us that he generated the cag-gfp mouse line himself while at the University of Hawaii, but we did not make a formal investigation into this. The mouse line was no longer maintained in the animal facility of CDB and was not available to us. Alternatively, the cag-gfp mouse line may have been actually an Acr/cag-gfp mouse line (Nakanishi et al., Genomics 80, 564-574 (2002)) as suggested in the report by Konno et al (Konno et al., Nature 525,E4-5 (2015). However, we only became aware of this possibility at the time of that report, which was after the start of Obokata’s replication attempt. In any case, the cag-gfp mouse line reportedly used in the original STAP reports is different from the cag-gfp mouse line (Okabe et al., 1997) we used in the present study. It is nonetheless difficult to conceive how the difference in cag-gfp transgene might affect the efficiency of “STAP cell” production and chimera generation.

 

3.In Fig. 4a of the retracted Nature article, the embryo being injected with “STAP” cells clearly has a zona pellucida. However, E4.5 embryos typically no longer have this structure. In the absence of zona pellucida, injection is practically impossible. We note that E0 is generally defined as 0:00 am of the day when the plug is identified, and suggest that E4.5 may be a typographic error for E3.5. Alternatively, Dr. Wakayama may have artificially delayed the development of the embryo; however, this was not reported in the retracted Nature paper.

 

4.We have now included a statistical analysis (t-test), which indicates that the efficiency of cell aggregate formation is significantly different between ATP treatment and HCl treatment in the C57BL/6 background. However, the difference is slight. We have revised the manuscript accordingly (Table 1 and page 5 in the text).

 

5.This study focused on the multipotency of cell aggregates generated by Obokata using a chimeric assay as this was the central feature of the reported “STAP” phenomena. Given the time constraints of this study, other data were necessarily limited, as noted in the Discussion. As it was not the focus of the present study, I cannot state definitively that the red fluorescence observed was autofluorescence, although I feel that this is highly likely. RT-PCR analysis for GFP expression showed significant expression in several aggregates, but not in others that showed green fluorescence; however, these data were preliminary at best and are not presented.

 

6.The effects on both cell aggregate formation and chimeric potency of the spleens’ genetic background were examined in the C57BL/6 and F1(C57BL6 x 129) background. It is well known that ES culture is strongly influenced by genetic background. Both of these backgrounds were used in the retracted Nature papers. I have now revised the manuscript (page 4 and page 6) to clarify this point.

 

7.The cell aggregates in Niwa’s report were prepared by Niwa, not by Obokata.

 

8.The two reports are now cited and briefly discussed (page 8–9). These works did not examine multipotency by chimeric assay, and the most important issue of the present report is that cell aggregates prepared by Obokata herself did not exhibit multipotency in chimeric assays.

 

 Best regards,

 Shin Aizawa

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【Austin Smith氏査読コメントに対する相澤氏の回答】

 Austin Smith 様                                                                                f:id:ryobu-0123:20161004034534j:plain

                                                                     

貴方のコメントに感謝いたします。貴方の提案を取り入れ、原稿を改訂しました。

私の回答は次のとおりです。

 

1. 表1の見出しを変更しました。

2. 全てのOCT-GFP細胞凝集体は、ある程度の蛍光を示しました。

3. 細胞塊は野生型脾細胞から生成されませんでした。細胞塊の緑色蛍光強度とOCT-GFP胚あるいはES細胞の中でのそれらの強度の直接的な比較は行いませんでした。私は緑と赤の蛍光が自家蛍光であったかどうかを確実に述べることはできません。GFP発現に対するRT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)分析は、いくつかの凝集塊において有意な発現を検出したが、緑色蛍光を示した他の物には無く、これらのデータは非常に予備的なことだったとして表示されていません。キメラ試験法を用いて、小保方により生成された細胞塊の多能性が示されており、このことがSTAP現象の中心的特徴であるので、ここに焦点を絞って検証しました。考察の中で述べたように、他のデータはただ単に、検証の時間制約の下での予備的なものでした。

4. キメラを作製するために、細胞塊はCAG-GFP脾細胞を用いて準備しました。このようにGFP発現または緑色蛍光を細胞塊を選択するための尺度として使用できていません。この理由のために、細胞クラスタの形態によって細胞塊を選定することができただけでした。本研究では小保方の判断に完全に依存して選定されたものでした。彼女が成功した場合は、次の我々の計画では、「細胞クラスタの形態」を正確に記述するように彼女に要求するつもりでした。

5 8細胞期でCAG-GFP細胞凝集体を注入し、一日間培養して胚盤胞期に達するところの多くの胚は、緑色蛍光細胞の存在について試験され、そしてそのような細胞が存在することが見出されていました。

6.  キメラ程度は全マウント中のE9.5またはE8.5で調べました。取下げたNature論文は細胞の大規模なコロニー形成を示しています(Fig. 4 in the Article and Fig. 1 and Extended Data Fig. 1 in the Letter) 。 

アーティクル論文(The article)では、得られた48キメラの内で8つのキメラ胚が50%以上の毛色の寄与を示したことを報告しました。これらの動物から「STAP」由来の子孫が得られました。これは、今では取下げられたSTAPレポートの中心的所見でした。しかしながら、今回の本検証では、レター論文の図など(Fig. 4 in the article and Fig. 1 and Extended Data Fig. 1 in the Letter)に示されたようなキメラは得られませんでした。そればかりでなく、コート色素沈着に50%以上の貢献度を示すようなキメラは全く得られませんでした。勿論1%たりともキメラになることはありませんでした。私は今、それに応じてテキストを改訂しています。これは本研究のポイントではなかったので、我々は、使用したCAG-GFPマウス系統で検出限界(セルの最小数)を検討していません。しかし、私は沢山の数の細胞がいずれの組織にも共存するなら、E9.5またはE8.5の全マウント中に検出可能であっただろうと信じています。

 

Best regards,

 Shin Aizawa

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(原文)

 

Author Response 27 9 2016

 Shinichi Aizawa, RIKEN Center for Developmental Biology, Japan

 

Dear Dr. Austin Smith,

 

 I thank you for your comments. The manuscript was revised incorporating your suggestions. My responses are as follows:  1.The headings in Table 1 have been changed as suggested.

 

2.All oct-gfp cell aggregates exhibited fluorescence to some degrees.

 

3.No cell aggregates were generated from wild-type splenocytes. No direct comparison was made of the intensities of green fluorescence of cell aggregates with those in oct-gfp embryos or ES cells. I cannot state with certainty whether the green and red fluorescence was autofluorescence. RT-PCR analysis for GFP expression showed significant expression in several aggregates, but not in others that had green fluorescence; these data were very preliminary and thus are not shown. This examination focused on the multipotency of cell aggregates generated by Obokata using a chimeric assay, since this was the central feature of the STAP phenomena. Other data were only preliminary given the time constraints under which these experiments were performed, as described in Discussion.

 

4.To make chimeras, cell aggregates were prepared with cag-gfp splenocytes, thus GFP expression or green fluorescence cannot be used as a measure for the selection of cell aggregates. For this reason, they could only be selected by cell cluster morphology. In the present study, the selection was dependent entirely on Obokata’s judgment. If she had succeeded, our plan was next to ask her to describe “cell cluster morphology” precisely.

 

5.Many embryos injected with cag-gfp cell aggregates at 8-cell stage and cultured for one day to the blastocyst stage were examined for the presence of green-fluorescent cells, and such cells were found to be present.

 

6.Chimeric extent was examined at E9.5 or E8.5 in whole mount. The retracted Nature papers show extensive colonization of the cells (Fig. 4 in the Article and Fig. 1 and Extended Data Fig. 1 in the Letter). The article reported eight chimeric embryos, showing more then 50% coat color contribution, of 48 chimeras obtained; these animals yielded “STAP”-derived offspring. This was the central finding in the now-retracted STAP reports. However, in the present study, no chimera equivalent to those in Fig. 4 in the article and Fig. 1 and Extended Data Fig. 1 in the Letter was obtained, nor were any chimeras obtained showing more than 50% contribution to coat pigmentation. Indeed, no chimera showing more than 1% contribution was obtained. I have now revised the text accordingly. We have not examined the limit of detection (minimum number of cells) with the cag-gfp mouse line used, since this was not the point of the present study. However, I believe it to be the case that if dozens of cells had been present together in any tissue, they would have been detectable in whole mount at E9.5 or E8.5.

 

 

 Best regards,

 Shin Aizawa

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Stap事件 ―  小保方氏の研究パートは有益な事実⑤        ====若山氏のSTAP幹細胞樹立こそ最大の謎だ!====

ここまでの「小保方氏の研究パートは有益な事実」シリーズで明らかなように、小保方氏の研究パートに対する疑念、即ち、STAP細胞など本々ありはしないものでES細胞STAP細胞と偽っていたなどと言う馬鹿げた疑念などはあり得ないのである。

STAP研究がノーベル賞レベルと評されたポイントは、STAP 幹細胞株化とFI幹細胞株化の樹立にあったと言って間違いないだろう。若山氏が、小保方氏の研究志向とは別に、独立して彼自身の卓抜した手技を活かして目指したiPS細胞を凌駕する無限に増殖可能な幹細胞株化の樹立、そして、それによって可能となるだろう安全で、胎児と胎盤にもなる万能細胞の成功こそ世界の科学界が最も注目したドキュメントである。

このStap事件は、論文の記載事項の科学倫理的不具合からスタートしたが、この注目のファクトを提示した若山氏自身が顕著な不安を感じて論文撤回へと誘導していった。彼の華々しいSTAP幹細胞やFI幹細胞等の成果物は遺伝子解析により、ES細胞由来の物でしかなかったという最もお粗末な結果となり、またその通りに理研が最終審判を下したのだった。

そして、そのあおりを食らって、論文筆頭著者の小保方氏が、担当のSTAP細胞ではなく、ES細胞を若山氏に供給していたかのような全く馬鹿げた印象操作を、理研や関連科学コミュニティーをはじめ、それを鵜呑みにするマスメディアや科学ライターや評論家が勝手に作り上げて拡散していったのだ。

しかし、実はSTAP幹細胞樹立の実態こそ、最大の謎だと言えるのではなかろうか。

 

 *下図は筆者独自の知る範囲で、STAP研究自体の問題点となる要素の参考点を図示したものである。(ryobu-0123/2016.10.1)

f:id:ryobu-0123:20161001152859j:plain

Stap事件 ―  小保方氏の研究パートは有益な事実④          Dr. Irene de Lazaroの相澤論文の査読評価内容

 ☆中村 公政氏のブログ「白鳥は鳥にあらず」にイレーヌ・デ・ラザロ:相澤真一「STAP現象の再現試験の結果」レビュー2016/8/22 を私なりに読解し、意訳してみた。

(中村氏の訳文を随分参考にしたので併せてご覧ください)

http://lunedi.sblo.jp/article/176889260.html

結論を言うと、彼女が指摘した事は科学的視点に立つと、疑問の残る相当重要な宿題が残されているのは確かである。特に、小保方論文のオリジナルな実験方法との齟齬が暴露されている点は当該研究者としては興味を引くと思われる。

http://f1000research.com/articles/5-1056/v1 参照

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査読レポート 2016年8月22日         f:id:ryobu-0123:20160920185347j:plain                     
イレーヌ・デ・ラザロ(Irene de Lazaro)、 Division of Pharmacy and Optometry, School of Health Sciences, Faculty of Biology, Medicine and Health, The University of Manchester, Manchester, UK

 

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2014年の小保方等の2つのNature論文は体細胞から多能性細胞を生成させる新規手法を記載しました。

その手法は機械的破砕とか酸処理のような刺激条件に晒すというものである。

そのようなプロセスは刺激惹起性多能性獲得(STAP:stimulus-triggered acquisition of pluripotency)と命名されたが、その研究は間もなくいくつかの確実な実験過誤や研究不正上の理由で撤回された。

相沢博士はSTAPという多能性を持つらしい細胞(これは理研の科学検証チームの監督監視下で小保方氏が生成したものだ)が果たしてマウス胚の発育に寄与するのか、そして更に本物の多能性細胞と考えうるかどうかを論述している。 

この研究で達成した結論、すなわちSTAP細胞なら機能するはずの多能性は再現しないことが、与えられたデータによって明確に裏付けられている。つまり、STAP細胞の寄与すべき事が回収胚の全てにおいて認められなかったということである。異なる組織への寄与を究明するSTAP細胞を注入した胚の数は十分に多いものである。更に、本研究設計は大変系統的であり、(キメラ現象の)結果に変化をもたらすいくつかの可能性の高い源流要因、すなわちストレスの刺激の要因、マイクロインジェクション操作前に細胞を切り刻む技術手法、それから注入時と取り出し時の胚のステージ等を考慮してキメラ現象を説明している。しかし、私見ではあるが、それでもなお相沢博士のこの研究を有益にする僅かではあるが、示唆する事や明白な事を以下に見つけて貰いたい。 

実験計画: 

撤回した小保方らによる研究では、細胞分化マーカーCD45陽性(CD45+)脾臓細胞を、STAP細胞を生成するための出発細胞(source)としてフローサイトメーター(FACS)を使って選定した。本研究では、CD45で分類して細胞を分取することは省略し、代わりにリンパ球の特定の単離が可能とされる商品Lympholyteが使用された。このことは検証の基本となるオリジナルのプロトコールの変更であり、それは出発細胞群の性質に相違が生じるかもしれないということである。したがって、著者はこの変更の背景となる理由を説明できなければならないと思う。 

キメラ実験に今回利用したCAG-GFP遺伝子移植マウスの系統が、現在は撤回された以前の研究において小保方らが使用したものとは異なっていたことが記載されている。異なる系統を選択する理由があったのか? 

・もともと小保方等の研究では、STAP細胞塊はE4.5段階の胚に注入した。しかしながら、本研究では、E2.5またはE3.5段階で胚に注入された。このパラメータは、キメラ現象のより高い程度を試そうと変化させたか?

実験設定でのこうした変更についての説明があればもっと明確で望ましかっただろう。                                                                         

データの陳述、取扱い及び考察: 

・低pH処理後のOct-GFP遺伝子導入脾臓由来の細胞塊の頻度(表1:このことについて「低pH条件(HCIまたはATP)ないしマウス達の遺伝的背景のいずれにおいても緑色蛍光シグナル発生頻度において、全く明確な違いが見られなかった」と本文中で述べられているが、例えこの陳述が統計的試験によって支持されているとしても、強く言い過ぎだろう。著者はこのデータに関して統計分析を実施したのか? 

・細胞塊の緑色と赤色蛍光: 著者は検出された信号が自家蛍光の結果であったことに言及しているようだが、そのことはこの研究を再現しようと試みている他の研究者によって、既に、実際に指摘(Tang et al. 2014; De los Angeles et al. 2015;の最後のコメントを参照)されてきたことだ。しかしながら、このことは本文中に明確には述べられてはいない。尚、更に付け加えて言えば、緑色の自家発光の疑念は、抗GFP抗体を用いるか、qPCRによるGFPmRNAとか、ウェスタンブロットによるGFP蛋白質のレベルを測定によって、容易に払拭できただろう。もしも試料が依然として有効ならば、左様な研究すれば、きっとその問題を明確にすることができることを私は著者に強く推奨する。野生型マウス系統由来の細胞塊の研究に含めれていれば、やはりまた、この曖昧さを避けていただろう。 

・キメラ研究のためSTAP細胞を生成するマウスの遺伝的背景: キメラ研究に使われたCAG-GFPマウスはC57BL/6ホモ接合の背景で育成されたと本文中に最初に述べられている。しかしながら、本文中や表2も同様だが、最後に強調されていることは、C57BL/6と F1(C57BL/6x129)の両方が含まれていた事である。

それらはまた細胞隗の分析評価のためOct-GFP遺伝子導入を維持するために選択された背景であるはずなので、この事は著者が必要とする明確性が紛らわしくなっている。 

・丹羽論文の結果: 著者は何回か丹羽論文(2016)の結果に言及している。丹羽はまた理研の科学検証チームのためSTAP現象の再現性を調べた。だが、丹羽の研究は、厳格な監督下で小保方が作った同じSTAP細胞で行われたかどうかは明確に特定されてはいない。qPCR、免疫染色及びFACSデータが議論されているが、開示されて無いし、丹羽の研究に読者の関心が向けられるから、そのような明確化は重要なのである。 

少なくとも二つの独立した研究が、理研外部の機関で実施されSTAP論争を明確化することを目指してきて、(Tang et al. 2014, De los Angeles et al. 2015) この論文で提示されたものと同様の結論に達している。特に自家蛍光の問題はDe los Angels 等の論文で広範に精査されてきた。私はこのような研究において観察されたことを一寸考察することによって本稿は補強されるだろうと確信する。

 筆者注: 相澤論文の引用文献1) →題名「弱酸処理では新生児の体細胞から多能性幹細胞を誘導できない」(要約)小保方論文の酸系処理の方法で、新生児の脾細胞または肺線維芽細胞からSTAP幹細胞を産生することができなかったことが報告されている 。

(以下省略)

f:id:ryobu-0123:20160920185417j:plain アイリーン ラザロ博士 (Dr. Irene de Lazaro)

 ( 訳:ryobu-0123 / 2016.9.21 )

再生治療分野の主任研究員。

2009年に(特待生で)スペインマドリード、アルカラ大学で薬学部の修士号を取得。卒業後、彼女は《バルセロナに本社の大手地方銀行La Caixa (ラ・カイシャ)のボランティア財団》Obra Social la caixa(オブラ・ソシアル・ラ・カイシャ)からフェローシップ(特別研究員の称号)を得て、薬物送達学の理学修士を終了。ナノメディシン研究室に参加、その後UCL(University College London)薬科大学に席を置き、3次元腫瘍モデルで抗体抱接型カーボンナノチューブの内在化を研究。再生医療の博士課程の学生としてUCLで彼女の研究を続ける。博士論文では、彼女は組織の修復、再生の基本となる生体細胞リプログラミングの概念を究明。生体内再プログラミングを専門とする再生治療の研究員としてマンチェスター大学所属のナノメディシン研究室で、傷ついた組織修復改善に取組む。

 Dr. Irene de Lazaro, Research Fellow in Regenerative Therapeutics
Irene obtained her Master’s degree in Pharmacy (with Distinction) at the University of Alcalá (Madrid, Spain) in 2009. After graduation, she gained a fellowship from Obra Social LaCaixa to complete a MSc in Drug Delivery. She joined the Nanomedicine Lab, then based at the UCL School of Pharmacy, to investigate the internalisation of antibody-conjugated carbon nanotubes in three-dimensional tumour models. She continued her studies in UCL as a PhD student in Regenerative Medicine. In her thesis, she explored concept of in vivo cellular reprogramming at the fundamental for tissue repair and regeneration. She followed the Nanomedicine Lab to the University of Manchester as a Research Associate in Regenerative Therapeutics focusing on the use of in vivo reprogramming to enhance rehabilitation of injured tissue.

 

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https://www.facebook.com/groups/1393691510903463/

Facebookの公開グループ「がんばれ、小保方晴子先生!」の記事より

渋谷一郎氏による、デ・ラザロ博士指摘事項の簡潔明快なポイントと評論を、此処に掲載させてもらいました。(2016.9.21 ryobu-0123) 

これは、相澤論文で紹介された、小保方さんを交えた理研の「STAP現象の再現実験」についての、デ・ラザロ博士のかなり辛辣、痛烈な批判ですね。
批判個所を拾っていくと(文章は訳文をもとに適宜変更しました)

〈実験計画〉
①小保方らによる研究では、STAP細胞を生成するための出発細胞(source)として、細胞分化マーカーCD45陽性(CD45+)の脾臓細胞をフローサイトメーター(FACS)を使って選定したが、本研究では、CD45で分類して細胞を分取することは省略し、代わりにリンパ球の特定の単離が可能とされる商品Lympholyteを使用した。→検証の基本となるオリジナルのプロトコールの変更であり、出発細胞群の性質に相違が生じるかもしれない。著者はこの変更の理由を説明しなければならない。
②キメラ実験に利用したCAG-GFP遺伝子移植マウスの系統が、小保方らが使用したものとは異なっていた。→異なる系統を選択する理由があったのか?

〈データの陳述、取扱い及び考察〉
③低pH処理後のOct-GFP遺伝子導入脾臓由来の細胞塊の頻度について、著者は「低pH条件(HCIまたはATP)ないしマウス達の遺伝的背景のいずれにおいても、緑色蛍光シグナル発生頻度に明確な違いが見られなかった」と述べているが、このデータに関してきちんとした統計分析を実施したのか?
④著者は検出された信号が自家蛍光の結果であったことに言及しているが、緑色の自家発光の疑念は、抗GFP抗体を用いるか、qPCRによるGFPmRNAとか、ウェスタンブロットによるGFP蛋白質のレベルを測定によって、容易に払拭できただろう。
⑤キメラ研究に使われたCAG-GFPマウスはC57BL/6ホモ接合の背景で育成されたと最初に述べられているが、本文中や表2もC57BL/6と F1(C57BL/6x129)の両方が含まれていた。
⑥著者は何回かSTAP現象の再現性を調べた丹羽論文(2016)の結果に言及しているが、丹羽の研究は、厳格な監督下で小保方が作った同じSTAP細胞で行われたかどうかは明確に特定されてはいない。

だいたいこんな感じですが、ryobu-0123さんが指摘しているとおり、「小保方論文のオリジナルな実験方法との齟齬が暴露されている」わけで、①〜⑥のデ・ラザロ博士の指摘が正しければ、あの小保方さんを交えた理研の検証実験とは何だったんだということになりますね。
なお、この一連の動きの背景について、中村公政さんが興味深い指摘をしています。
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あまり詳しく書く必要はないと思うが、沈黙のうちに忘れられていた相澤論文をF1000Resercherで再び脚光を浴びさせようとしたグループが存在しただろうと推定できるということである。
「F1000Reserchとは:テイブレーク氏に寄せて」
http://lunedi.sblo.jp/article/176927535.html
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これは、小保方さんを交えた理研の「STAP現象の再現実験」の虚偽性をアピールすることが、相澤論文がF1000Reserchに再掲載されたそもそもの目的だったということでしょうか?

                                          f:id:ryobu-0123:20160921103026j:plain

 

 

 

 

Stap事件 ―  小保方氏の研究パートは有益な事実③       『 STAP HOPE PAGE  は本物だ! 』

 

picture2

 

 

Oct4-GFPマウス由来のSTAP細胞クラスタ

 

◎ STAP HOPE PAGEに小保方氏の真実が凝縮 している

2016年3月31日に小保方氏独自のホームページSTAP HOPE PAGEを立ち上げた。

最早、博士号まで剥奪され、自身の研究継続困難となった小保方氏の究極の手段だった。

小保方氏が心底から思いを寄せるSTAP研究進展への希望がこのホームページに凝縮されている。

Past background of STAP( STAPの過去の背景)の中に具体的に、彼女の知れる範囲の要点が記載されている。

 

Findings(研究結果)にはnature論文の要点を記載。

この論文の記載対象は、STAP幹細胞による多能性評価に重点を置いた若山パートだったのだと理解できた。

STAP細胞が確実にSTAP幹細胞株として展開することができた培養条件を発見したこと。

STAP細胞は、ES細胞およびiPS細胞からの興味深い違いがあること。ES細胞やiPS細胞は胎児の体細胞に分化するが胎盤を形成できないのと対照的に、STAP細胞は体細胞と胎盤の両方に貢献する可能性を論述した

 

Role-sharing in STAP study (STAP研究における役割分担)を明示。

「STAPの研究は、役割分担の中に進めました。 STAP細胞研究の私の担当は、多能性幹細胞マーカーを発現したSTAP細胞を作成することでした。 STAP細胞キメラマウスの生成とSTAP幹細胞株の確立の重要な多能性試験は、若山博士の担当でした。胎盤STAP細胞のキメラ寄与はまた、若山博士によって発見されました。」

と記述している。

(小保方パート) 

多能性幹細胞マーカーを発現したSTAP細胞を作成すること(= Oct4陽性スフェア細胞)

(若山パート) 

① STAP細胞の重要な多能性試験、即ちキメラマウス生成とSTAP幹細胞株の確立

② 胎盤へのSTAP細胞のキメラ寄与の発見

Important pluripotency tests of STAP cells, chimeric mouse generation and STAP stem cell line establishment, were Dr. Wakayama’s part. Chimeric contribution of STAP cells to placentas was also discovered by Dr. Wakayama

 

Investigation report of STAP in RIKEN(理研でのSTAP検証報告)

理研STAP細胞研究の最終報告書によれば、細胞株のすべてのキメラマウス、テトラトーマは、ES細胞由来の細胞でありSTAPでないことがわかりました。」 としながら、そのSTAP捏造とする結果に対して、それに続けて反論している。

「しかし、STAP細胞同様の細胞からteratoma formation(奇形腫形成)だけは、2010年ハーバード大学Vacanti研で、すでに確証済みだったことです。」と。

 

STAP verification experiment in RIKEN CDB (理研CDBのSTAP検証実験)

2014年に理研CDBで、STAPの検証実験は、二つの独立したグループによって行われた。

丹羽仁博士STAP検証実験チームと、小保方氏単独の実験(但し、細胞の分析は他の人々が実施)。

小保方氏は4ヶ月間、単独でSTAP検証研究に参加した。

しかも厳重な監視下での極めて劣悪な実験を強いられていたことが如実に記されている。

(通常の人なら、ましてES細胞捏造犯ならすぐに逃げ出してしまうはずだが、小保方氏の真実への並々ならぬ執念の凄さに感涙し、何と腹立たしい処遇だろうと、筆者は何度も思った)

ⅰポケットなしの服を着用  ⅱ監視員が毎日エプロン結びに来る  ⅲ実験室の壁でさえ小さな釘穴が埋める  ⅳ 24時間のビデオ監視  ⅴ彼女のすべての動きをモニターし、監視員がそれを文書化  ⅵ自由に試薬ボトルを取り上げることができない  ⅶ 自分自身で再作製したSTAP細胞を分析することは許されない(自身の実験がうまくかいったかどうかを知ることができない状態)

こうした邪悪な条件で彼女は「私は唯々心身ともに悪い状態で、毎日何度も同じ作業するしかなかった」と記述している。

だが、小保方パートのSTAP細胞は再現したことを明記した。このことは極めて重要だと思う。

「それにもかかわらず、STAPの研究、およびSTAP現象の私の部分は、確実に検証実験で確認されました。」

「実際、丹羽博士のSTAP検証グループは、独立にOct4などの多能性幹細胞マーカーを発現し、STAP細胞再作成に成功しました。」

しかし、若山氏は実験に参画を拒否したことにより、若山パートを再現させることはできなかったと明記した。

なぜなら、若山氏固有の特殊な技術である、マイクロナイフを使用してSTAP細胞塊を切り刻む技術が無いためキメラマウス生成実験は成功しなかった。

 

以上、小保方氏がここに記載する内容に対応する、理研が作成した2014年12月19日の報告書

「STAP現象の検証結果」  http://www3.riken.jp/stap/j/r2document1.pdf

では、小保方パートも若山パートも全て再現しなかったとしている。しかし、この結論で、小保方パートのデータは完全に否定されるものではないことは、「小保方氏の研究パートは有益な事実①」の和戸川氏の考察からもわかることだ。

小保方氏のH.Pの記載で小保方パートは完璧ではないが再現されてると理解すべきだろう。 

この後、理研検証実験の検証実験チーム副チームリーダー丹羽仁史氏の論文が2016.6.13にWEBで発表された。

・“Investigation of the cellular reprogramming phenomenon referred to as stimulus-triggered acquisition of pluripotency (STAP)”(刺激惹起性多能性獲得STAPに関する細胞初期化の究明) http://www.nature.com/articles/srep28003

この丹羽論文に、「科学で世界をブリッジするサイエンスニュース」(http://sciencenews.co.jp/2016/07/04/post-2698/)は、

STAP細胞はありません」と題し、 『理研の検証実験が論文になって発表される。確認できたのは、酸性の溶液に浸した細胞のごく一部に多能性に密接に関わっている、Oct3/4( = Oct4 )という遺伝子のシグナルを発する細胞があったところまでだ』と、小保方パートを肯定した。

また、総括責任者相沢真一特任顧問の論文が2016.6..1付の論文としてオンライン誌F1000Researchに発表された。

“Results of an attempt to reproduce the STAP phenomenon”  (スタップ現象の再現性検証結果)

http://f1000research.com/articles/5-1056/v1

この論文の内容は、先に相沢氏が科学者として吐露した本音が、厳しい監視環境下で実行された検証結果を散りばめた書き方になっているようである。

その論文査読者の1人、Austin Smith氏の評価コメントで、小保方パートの再現は確保されたとし、当該コミュニティーに有益な結果と評している。

※2016.9.19 追記:Austin Smith氏はコメントの最後に理研との関係を述べている。 「私は以前、理研CDBの諮問会議の議長だった」(I was formerly Chair of the Advisory Council of RIKEN CDB. ) 

筆者が意訳した内容を掲載しておく。

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In this paper Dr Aizawa reports the outcome of attempts to reproduce the claim that exposure to low pH can convert splenocytes into pluripotent cells, so-called STAP cells, that are capable of colonising the mouse embryo. Although the two STAP papers have now been retracted acknowledging multiple errors and misconduct, the retraction notice does not state that the results are irreproducible but only says “we are unable to say without doubt whether the STAP-SC phenomenon is real”. This study is therefore a valuable service to the community. It is unfortunate that Ms Obokata cannot be contacted. It would be desirable if she confirmed her agreement with the findings. However, I do not think there is any requirement for her to be a co-author because she carried out the work under the explicit direction and supervision of Dr Aizawa.

The study design, results and interpretation are clearly presented. Putative STAP cell aggregates, as defined by Ms Obokata on the basis of fluorescence and/or morphology, were obtained. In a comprehensive series of micro-injections these cells were introduced into morulae or early blastocysts then transferred to recipient mice. No contribution was detected in 591 recovered embryos inspected for expression of a constitutive GFP reporter. Therefore the findings reported in the STAP papers cannot be reproduced using “STAP” cells generated by Ms Obokata in supervised conditions. This is a helpful clarification for the field.

I have a few minor suggestions and questions that could improve the clarity of the manuscript:

  • In Table 1 the heading Exp No should be changed to No. of Expts and the heading No. Cell Aggregates should be No. Fluorescent Cell Aggregates.  
  • It is not clear from the Table or text what proportion of aggregates showed fluorescence or whether they all did. This should be stated.  
  • It is stated that the source of fluorescence could not be confirmed. Were no aggregates generated from wildtype splenocytes without a reporter? How intense is the green fluorescence in aggregates compared with the Oct4-GFP level in embryos or ES cells? The text should explain that red fluorescence is autofluorescence.  
  • For the chimaera experiments it is stated that “cell aggregates of 50-100mM were selected by their cluster morphology by Obokata”. Can “cluster morphology” be described more precisely?  
  • Typographical error: “cell aggregates were one cut into small pieces”.  
  • Were any injected embryos examined for donor cell survival/integration prior to uterine transfer?  
  • Could the author comment on the limit of detection (number of cells) for chimaera contribution at the stages examined using this reporter? The method “Embryos were ….. examined for the contribution of injected cells in each organ”. I assume this was in whole mount rather than dissected organs, but this should be declared.

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(筆者の意訳)

・この論文において、相沢博士は検証結果であるところの、低pH下で、所謂STAP細胞という脾細胞を多能性細胞(これはマウス胚をコロニー形成する能力を持っている)に変化させる主張を再現させる試験結果を報告している。2つの論文は最早、複数のエラーや不正行為が認知されて却下されたが、撤回通知はその結果が再現性の無いことを述べてはいないのであって、ただ単に「STAP幹細胞現象が真実であるか否かを疑念を抱かずに言うことはできないと」と述べているだけである。それ故に、この研究は当該コミュニティに価値あるサービスである。小保方氏とコンタクトがとれないことは残念である。もしも小保方氏がこの検証結果に納得していれば、望ましいことだろう。しかしながら、相沢博士の明確な指示と監督の下で、彼女は作業を行なったわけで(自分のやり方は一切ないので)、彼女は共著者である必要性は全くないことだと私は思う。

・この研究設計、結果と解釈は明白に提示されている。推定のSTAP細胞の凝集体は、これは小保方氏によって蛍光性及びまたは形態学的なベースで定義された通りに得られた。ミクロ注入の包括的なシリーズにおいて、これらの細胞は桑実胚や初期の胚盤胞中に導入され、それから受容体マウス達に移された。取り出した591個の胚に寄与した状況は組み込んだGFPマーカー発現検査によって全く検出できなかった。それ故に、厳しい監視の下で、小保方氏が生成した「STAP」細胞を用いた場合は、STAP論文に報告された事象は再現できなかった。このことはこの分野の明確化に役立つことである。

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海外でのSTAP HOPE PAGE は既に大いに意義あるものとして、応用研究が進んでいる理由は、小保方パートの意義を海外の当該分野の研究者は周知のこととして認知しているからなのだ。

何も不思議な事でもなんでもない、当たり前の話なのである。

               ( 2016.10.7  以下の和訳追記 / ryobu-0123 )

原稿を改善して明確にする一寸した提案や質問が何点かあります。 

  • 表1で、見出しのExp NoはNo. of Exptsと変え、見出しのNo. Cell AggregatesはNo. Fluorescent Cell Aggregatesに変更する必要があります。 
  • これは、どんな割合の凝集体あるいは全部が蛍光を示したのかが、表やテキストから明らかでない。これは、記載すべき。 
  • 蛍光源が確認できなかったと述べられている。レポーター遺伝子の発現が無く、全く凝集塊は野生型脾細胞から生成されませんでしたか?胚またはES細胞でのOct4-GFPレベルと比較して、凝集塊中の緑色蛍光はどの程度の強さでしたか?テキストではその赤色蛍光が自家蛍光であることを説明すべきです。 
  • キメラ実験のために、「50-100mMの細胞塊が小保方によって、それらのクラスタ形態によって選択された」と記載されている。「クラスタの形態」をもっと正確に説明することはできますか? 
  • 誤植:“cell aggregates were one cut into small pieces”. 
  • いずれの注入した胚も、子宮転送する前に、ドナー細胞の生存/遺伝子組換え修復を検査しましたか? 
  • このレポーター遺伝子(=遺伝子マーカー)を用いて検証されたステージ毎のキメラ形成検出限界(細胞数)を著者のコメントをお願いできますか。「胚は、各々の臓器における注入された細胞の寄与を調べ上げる・・・」の方法。私はこれ(キメラ形成検出限界)は解剖した臓器よりむしろ全マウント内にあったと思っていますが、このことをハッキリ公表すべきです。

 

 

 

※※Austin Smith著「細胞生物学:解放された細胞分化能力」
“Cell biology: Potency unchained” (Nature 505, 622623; 2014)
はSTAP論文発表直後にSTAP研究を論説したものだが、残念ながらSTAP論文取り下げに伴って残念ながら、撤回されている。
細胞生物学的観点でSTAP論文の意義を見事に解説していた。その解説図は素晴らしい。(2016.9.19 追記)
 
 f:id:ryobu-0123:20160919152011p:plain
 
 
 
f:id:ryobu-0123:20160921002510p:plain  Austin Gerard Smith (biologist)
 
☆オースティンジェラルド・スミス(1960年生)     
(From Wikipedia, the free encyclopedia) 《訳:2019.9.23 ryobu-0123》

ケンブリッジ大学 生物化学科の教授(兼)幹細胞研究所ディレクター【Wellcome Trust Centre for Stem Cell Research (CSCR)】胚性幹細胞の生物学上の先駆的な仕事で注目される人物。

・1986年にエジンバラ大学から博士号を取得

オックスフォード大学ポスドクとして研究後、グループリーダーとしてエジンバラ大学でのゲノム研究のためのセンターに参加

・1996年、幹細胞研究のための研究所となったセンターの理事(director)に任命される

・2006年にケンブリッジに移籍

・2003年Medical Research Council (MRC)研究教授職。

・同時にエジンバラ王立学院メンバーに選出される

・2006年、王立協会会員(Fellow of the Royal Society)に選出される

・2010年、Louis-Jeantet Prize for Medicine(仏天才医師ミッシェル・ハイサゲル氏と共同受賞)

  ( 訳者注:  この賞の後、ノーベル賞受賞者が多いようである )

・2010年2月、主要な13人の幹細胞の研究者と一緒共に雑誌編集者達に公開文書を書き送って当該分野の少数の研究者の妨害的批評が、新規の幹細胞研究の出版を妨げていることを表明した。

・2012年、ウェルカム・トラストおよび医学研究審議会(英国)から授与された800万ポンド($12.5百万米ドル)の拠出によって、ケンブリッジ大学に新しく設けられたウェルカムトラスト-MRCケンブリッジ幹細胞研究所の理事(director)となると目されている。

 

Austin Gerard Smith (born 1960) is a professor in the Department of Biochemistry and director of the Wellcome Trust Centre for Stem Cell Research at the University of Cambridge.[3] He is notable for his pioneering work on the biology of embryonic stem cells.[4][5]

Education[edit]

Austin Smith obtained his doctoral degree from the University of Edinburgh in 1986.[3]

Career and research[edit]

He then carried out postdoctoral research at the University of Oxford, before joining the Centre for Genome Research at the University of Edinburgh as a group leader.[3] In 1996, he was appointed director of the Centre, which became the Institute for Stem Cell Research under his leadership.[3] He remained as director of the Institute until his move to Cambridge in 2006.[6]

In 2003, Smith was awarded an MRC Research Professorship[3] and elected to the Royal Society of Edinburgh.[7] And in 2006, was elected a Fellow of the Royal Society.[8] In 2010, he was co-recipient of the Louis-Jeantet Prize for Medicine along with French cardiologist Michel Haissaguerre.[2]

In February 2010, together with 13 other leading stem cell researchers, he wrote an open letter to journal editors to voice the opinion that obstructive reviews by a small number of researchers in the field were hindering publication of novel stem cell research.[9] [10]

Austin Smith will be the director of the new Wellcome Trust-MRC Cambridge Stem Cell Institute at the University of Cambridge, which will be established with 8 million pounds ($12.5 million) awarded by the Wellcome Trust and Medical Research Council (UK) in 2012.[11]

References[edit]

 
 尚、中村 公政氏ブログ白鳥は鳥にあらず」  も参照ください。

lunedi.sblo.jp