Stap事件 ― 若山教授はSTAP細胞の存在を知っていながら、何故?

渋谷一郎著「STAP細胞はなぜ潰されたのか・小保方晴子『あの日』の真実(ビジネス社)」の第3章“STAP細胞は存在すると言える4つの理由”で「STAP細胞は存在したことは明らかだ」と説明している。即ち、

  1. 理研検証結果(2014年12月)に「STAP様細胞塊の確認ができた」事実
  2. STAP細胞の特許出願が理研は放棄したものの米ハーバード付属Brigham and Women's Hospitalで維持され放棄されていないこと
  3. iMuSCs論文(2015年11月)で負傷したマウスの骨格筋から新しい幹細胞集団の発見
  4. STAP細胞は若山研で日常的につくられていたとの小保方氏が証言。(小保方晴子著「あの日」より)

の4点の証拠を挙げてSTAP細胞の存在理由を説明している。

確かに、①では小保方氏担当のOct3/4陽性スフェア細胞塊の存在は証明できたとしてよいだろう。

しかしながら、②、③及び④は間接的な状況証拠であるからSTAP細胞の存在証拠としては弱い。

恐らく、渋谷氏は「Oct3/4陽性スフェア細胞塊」を「STAP細胞」と敢えて解釈して解説したと思う。 

だが、ここでは渋谷氏がSTAP細胞の存在の証拠を究明する過程で、小保方氏が自己の担当した仕事をしっかりと果たしていた証拠を示したことこそが重要だと私は解釈している。 

 

ところで、この「STAP細胞」の名称は笹井芳樹博士が命名したと、小保方氏が「あの日」の中でが述べている。

刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency)細胞の略称である。

そして、小保方氏の認識する、その具体的な内容が「あの日」にのべられている。

「・・・、後にSTAP細胞と名付けられる細胞の存在の証明が、キメラマウス作製の成功もしくは増殖する細胞であるSTAP幹細胞への変化であるなら、『STAP細胞の作製の成功・存在の証明』は常に若山先生がいなければなしえないものになっていった。」

と述べている。

これはとりもなおさず、STAP細胞の定義」を示した重要な認識事項である。

“「Oct3/4陽性スフェア」によって作られた「キメラマウス」と「無限増殖する幹細胞」が存在するることが確認された時に、その「Oct3/4陽性スフェア」を「STAP細胞」と称し、それによって作られた「無限増殖する幹細胞」のことを「STAP幹細胞」と称する。そして、この一連の現象をSTAP現象と称する。”

と理解してよいだろう。そして、“この定義の必要条件「キメラマウス」と「無限増殖する幹細胞」の作製は、若山先生しかなしえない”ことになったままであったのである。

敢えてSTAP細胞の定義を実務上の表現で定義するならば、

「小保方氏の作るOct3/4陽性スフェアから、若山氏がキメラマウスと幹細胞を作製できた証拠が存在するのであれば、小保方氏作製の当該細胞はSTAP細胞であり、若山氏作製の幹細胞はSTAP幹細胞である。」

としなければならない。となれば、

渋谷氏が示したように小保方氏の担当の仕事は正しく、Oct3/4陽性スフェアの実在が立証されたのだから、若山氏担当の仕事こそがSTAP現象のすべての手がかりを持っていることが明白てある。したがって、

若山氏以外にこのSTAP細胞問題を正しく説明することはできない。

 

理研は、「残されたSTAP幹細胞試料は全てES細胞の混入だった」と結論した。

何故そのような結論になったのか? その原因の所在は、すべて若山氏側にあることになる。

 

そこで、和モガ氏が、時系列的なデータ整理と考察から導いた「ES細胞混入偽装説」が最も確からしい仮説として注目されるのである。

(但し、私はこの仮説で違和感を感じるポイントは、STAP幹細胞が存在した事を知っていながら、この大発明を踏み潰した人間が存在することになる点だが、今はそれも認めておきたい。)

 

渋谷氏は、Face Bookのグループ「がんばれ、小保方晴子先生!」に和モガ氏の解説をより分かりやすく、説明している。明らかに若山研の問題が明確に示されている。

 

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以下、渋谷氏のFaceBook記事をそのまま掲載しておく。

https://www.facebook.com/groups/1393691510903463/?fref=ts

和モガさんの興味深いツイート①〜③を紹介します。

和モガさんの説は、最後の③に集約されています。STAP細胞も、STAP幹細胞も、キメラマウスも存在したというのが、和モガさんの主張です。

では、なぜ桂調査委員会の結論がSTAP細胞ES細胞となったのか。それは、和モガさんによれば、「最後にSTAP幹細胞を培養して、ES細胞とラベルすれば完成」ということです。要するに、小保方さんがES細胞をSTAP細胞と偽って若山氏に渡したのではなく、若山氏が作製したSTAP幹細胞をES細胞と偽って、STAP細胞=ES細胞説をでっちあげたという説です。これは、STAP細胞事件の経緯や、桂調査委員会の報告書の疑問点を総合的に考えると、現時点ではもっとも信憑性の高い仮説と思います(マウスの取り違え問題や、いったい誰がそんなことをやったのかという問題は残ったままですが)。

もちろん、和モガさんがこうした説を提唱する背景には、これまでのきちんとした論考があります。twitterの後に、和モガさんの説を裏付けるブログ記事も紹介します。

ずいぶん長くなってしまいましたが、まずは和モガさんの①〜③のtwitterをお読みください。後は、時間のあるときにでも、最後に紹介した一連のブログ記事に目を通していただければと思います。

 

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①和モガ@wamoga

この「STAP細胞事件」は研究不正じゃなくて、犯罪ですよ、犯罪。業務妨害罪というね。実験マウスがすり替えられていたんです。調査委員会も最初、取り違えの可能性も考えたでしょうね。でも、オスとメスが両方違ってたから、さすがにそれはないと思った。でも、違う。故意だからね、ありますよ。

11:06am · 16 Jun 2016

https://twitter.com/wamoga/status/743263410251501568

 

②和モガ@wamoga

 STAP細胞ES細胞の混入だとおっしゃいますが、混入した証拠なんてどこにもないですよ。どこにもね。調査委員会が調べて分かったのは、STAP幹細胞とよく似たES細胞がある、それだけです。まあ、ES細胞と思っているのは培養した同じSTAP幹細胞なんだから、似ていて当たり前です。

11:07am · 16 Jun 2016

https://twitter.com/wamoga/status/743263683514671104

 

③和モガ@wamoga

アクロシン入りの岡部マウスと市販のマウスをかけ合わせた子マウスからアクロシン入りのSTAP細胞が出来ます。これから、STAP幹細胞、キメラ、テラトーマを作れば、調査委員会が調べた通りの試料が出来上がります。最後にSTAP幹細胞を培養して、ES細胞とラベルすれば完成。

11:08am · 16 Jun 2016

https://twitter.com/wamoga/status/743263944190664704

 

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以下は、①〜③のtwitterに関連する和モガさんのブログ記事です。それぞれポイントとなる個所も抜粋して紹介しておきます。

 

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★「「STAP細胞事件」-ES細胞の混入?そんな単純な事件ではない! 2015.07.22」

http://wamoga.blog.fc2.com/blog-entry-81.html

(本文より)「案の定、報告書にはES細胞の混入という証拠はない。あるのはSTAP幹細胞と酷似したES細胞が存在するという証拠だけである。そしてSTAP幹細胞の中にはES細胞の混入なく作られたと思われるデータもある。ES細胞の混入などという単純な事件ではないということだ。」

 

★「「STAP細胞事件」-STAP細胞ES細胞の混入であることは証明されていない 2015.07.22」

http://wamoga.blog.fc2.com/blog-entry-82.html

(本文より)「この⑧の129/GFP ESは小保方研のフリーザーから見つかったES細胞で、小保方氏が盗んだというES細胞の一つである。これについては作者不詳で小保方氏はじめ若山研の関係者は皆、知らないといっており、存在すること自体、あやしい細胞である。」

 

★「「STAP細胞事件」-STAP細胞ES細胞の混入なく作られていた 2015.07.22」

http://wamoga.blog.fc2.com/blog-entry-83.html

(本文より)「すなわち、STAP幹細胞、FLS3が作られたときは、それに相当するES細胞はなく、FLS3はES細胞の混入なく作られたことをこの近縁率表は示している。

このES細胞STAP細胞が出来た後に作られ、それが作成日不明、作者不詳の形で盗まれたとする小保方研の冷凍庫から見つかったことになる。」

 

★「「STAP細胞事件」-理研CDBは「STAP細胞ES細胞由来でない」ことに気付いているのではないか 2016.02.19」

http://wamoga.blog.fc2.com/blog-entry-113.html

(本文より)「おそらく、理研CDBの解析担当者は「STAP細胞ES細胞由来でない」ことに気付いたはずである。それを、調査が紛糾して特定研究開発法人の指定が棚上げされることを恐れた理研幹部が早期決着を図るため、強引にES細胞の混入で押し切り、調査委員会がそれを追認したというのが真相ではないだろうか。」

 

★「「STAP細胞事件」-マウスの取り違いを見逃した調査委員会の致命的なミス 2016.03.13」

http://wamoga.blog.fc2.com/blog-entry-114.html

(本文より)「調査委員会は若山氏、小保方氏について、GFPなしのマウスが含まれていた矛盾について、それ以上の追及をしなかったと書いているが、これは、そっくりそのまま、調査委員会にも当てはまる。ES細胞の混入でも、この矛盾は説明できないのであるから、それをさらに追及すべきであった。もし、追及していれば、ES混入などという結論にはならなかった可能性があるのである。」