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Stap事件 ― 若山氏率先したSTAP論文撤回の謎について ④

=== 若山氏の「特殊な手技」はES細胞利用? ===

 

若山氏は、小保方氏のOct4スフェア細胞にES細胞並みの増殖性を付加しさえすれば、iPSにも勝る全く新しいメカニズムで万能細胞を作る構想を強く小保方氏に示したのは、その実現性が高いと判断したからだろうと思われる。

小保方氏は、若山氏にキメラマウスの作製協力を求める以前に、すでに組織工学技術を使ってはいるがテラトーマまでの多能性評価を終えていた。

キメラマウスの実現さえ可能になるなら、細胞増殖能力を付加するだけで実用性ある画期的な万能細胞を実現できることを想定し、その技術的課題は彼の得意とする研究分野の範疇であったことは確かだろう。

 

研究者としての当然ともいえる探求心は大きくは2通りあるだろうと思うのである。

1つは小保方氏のように細胞変化の不思議な現象の解明という自然現象に力点を置く基礎研究指向であり、もう1つは若山氏のように細胞の得意な現象を応用し実用化することに力点を置く実用化技術研究指向である。

当然ながら、基礎研究の上に応用性の高い実用化技術が研究開発されていくものである。

近年、このような研究の流れは、研究成果のニーズが強い再生医療分野などでは研究開発競争は基礎研究の深まりを待たずに、熾烈な知的財産権競争を制するために早期から特許戦略を重視して研究活動が行われている実態が懸念されているのではないかと思われる。

 

既に、拙ブログの「若山氏が率先したSTAP論文撤回の謎について ①」において、

「若山研において小保方氏が無給の客員研究員時代に行われた研究で、なかなか小保方氏の論文は採用されない中で、唯一特許戦略で幹細胞株化の権利だけは若山氏が確保したかったのだろうと思う」

と述べたが、若山氏が画期的な万能細胞実用化についての特許戦略を立てて権利化をしていく施策というのは、研究者としても部門の責任者としても必須の仕事であるものと想到される。

そして、特許戦略とは他者に追い抜かれないように如何に広く請求範囲を権利化するかが手腕を問われる。

また、学術論文との整合性を図る必要があり、特許はその非公知の新規性を担保するために先行して出願しなければならない。

 

tea*r*akt2氏は独自のブログの「若山氏が単独でとろうとした特許出願に関する自己点検委報告の記述」の中で大変に興味深い見解を述べている。( http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/17104909.html )

まず、 小保方氏の手記に、若山氏が、STAP幹細胞に関する特許出願を単独で行おうとし、51%の持ち分を主張し、米国側と不穏が状況となった経緯を理解するために、自己点検委報告書抜粋(モニタリング委報告書附属資料 http://www3.riken.jp/stap/j/c13document14.pdf ) を紹介した上で、

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「ということは、2012年4月24日に、米国で仮出願され、翌2013年4月24日に出願された特許の中に、その本出願段階で、STAP幹細胞 関連のものも包含されたというになります。

 若山氏が、独自の特許出願を急ぎ始めたのは、2012年8月以降だと手記にありますから、時期的にも合致します。

 この国際出願の持ち分がどうだったか、すぐに出てきませんが、若山氏とすれば不本意だったのでしょう。

上記報告書では、知財担当者間での交渉の結果となっていますが、小保方氏の手記では、小保方氏自身が、特許の持ち分やオーサリングの件をめぐって、日米の著者の板挟みで苦しんだとありますので、相当の軋轢があったのでしょう。

 若山氏は、理研にいたときは、Oct4陽性を示すSTAP細胞が普通にできていて、研究室のメンバーも、それと元にして幹細胞株の研究を各種進め、関連論文も出し(学生に出させ)、特許出願の中で、特許の範囲をできる限り広くとろうと腐心していた。

 山梨大に移った以降も、STAP細胞はできるし、元留学生も中国でできているが、幹細胞株化がうまくできない。小保方氏から送ってもらった培地で培養すると、Oct4をよく発現するが、肝心の幹細胞株化がうまくいかない。

 ・・・結局そのまま、論文はアクセプトされ、大々的に発表したものの、自分の担当のSTAP幹細胞、FI幹細胞のところがうまくいかないままだ。・・・不安はどんどん募ってくる。

 ・・・という状況の中で、論文への疑義が噴出したので、これをきっかけに、全部撤回させる方向に舵を切った(しかも、STAP細胞自体が捏造だという方向で)・・・というのが、全体の流れをみて自然に浮かんでくるシナリオだと感じます。

 あの、共著者の誰にも相談しない撤回呼び掛けの唐突さ、絶対に撤回に持って行くとの強力な意志とお膳立ても、上記のシナリオを裏付けるのでは、と思います。」

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と若山氏の心境をtea*r*akt2氏は推察している。

そして、こうした若山氏の特許戦略データ作り(研究実現ターゲット)と、そのシナリオ破綻への流れにおける若山氏の心境と行動の変化が小保方氏の手記に、端的に述べられた重要な指摘が要約されているので、そのまま引用する。

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 小保方氏の手記には、

○若山氏は2012年8月以降、特許申請を急ぎ、理研特許室への若山氏のメールには、「若山研のラボメンバーは、スフィアの作製も細胞株化もまあまあできる」「いつでも再現できる」「iPS細胞よりすごいものを作った」などと記されていた。(P102~103)

2013年6月頃、山梨大の若山氏から、培地を送った後の連絡では、Oct4をとてもよく発現するSTAP細胞はできるが、まだ幹細胞株化には至っていないこと、中国人留学生の元研究員も中国で、STAP細胞の実験がうまくいっているとの連絡がきているとのことだった(P122~123)

○若山研の学生は、スフィア幹細胞株関係の論文を、若山氏と相談の上、ネイチャーの姉妹誌に投稿したが、騒動になった後、静かに取り下げたとのこと(P96、P211)。

とあります。云々

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このように、2012年8月以降の理研特許室への幹細胞株樹立の話と、約1年後の2013年6月頃の幹細胞株化に至っていない話には歴然とした矛盾がある。

その矛盾は特許戦略と実際の研究実績のギャップがあったと考えれば、特許出願経験者のベテランならば何回かそのような自分で自分の首を絞めるような、この若山氏の心境を想像できるかもしれない。

 

特許戦略上、特許の請求範囲においては、STAP細胞がいくらその発生メカニズムが画期的であってもすぐに死んでしまう細胞では実用性に乏しい。

しかし、無限に増殖する実用性の高い幹細胞株及びその幹細胞株化を達成する作り方こそが産業的価値として甚大なものになる。

若山氏は、幹細胞株化の特許権こそが莫大な価値であるがゆえに、必ず達成すべき研究課題であり、目標値としての「仮置きのデータ」作りをしていた可能性がある。

それが、2012年8月頃の若山氏と理研特許室とのメールから感じられることである。

「仮置きのデータ」とは、若山氏が「特殊な手技」で作ったキメラマウス、STAP細胞株、FI幹細胞株そして光る胎盤なのではないだろうか。

若山氏としては、先走った特許戦略と実体の穴埋めは急務となっていたに違いない。

しかし、幹細胞株化を真面に樹立する見通しが得られない窮地に追い詰められることになった。

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そして、STAP論文に疑義が発生すると、免疫学者中心に錚々たる学者達からTCR再構成の無いSTAP幹細胞はSTAP細胞から作られていない疑念をもたれていることに若山氏は強い恐怖を感じたに違いない。

正にあの「特殊な手技」とは自らが密かにES細胞を用いた手技だったからではなかっただろうか。

 

(但し、以上のお話は、小保方氏のパートが正常なものだったと確定していることを前提に考えた一つの仮説にすぎない)