Stap事件-若山氏の「特殊な手技」が記載されなかったSTAP論文 ④
思い出してみよう!!
小保方氏がキメラマウス作製の胚操作の教えを求めた時、
「小保方さんが自分でできるようになっちゃったら、もう僕のことを必要としてくれなくなって、どこかへ行っちゃうかもしれないから、ヤダ」
と言った若山氏が如何に小保方氏を必要としていたか、冗談ポイこの言葉は意味深である。
若山研の小保方氏になった時に、若山氏は胚操作を含めて全てのノウハウ(特殊な手技)を伝えるつもりだったということではないだろうか。
ところが、若山氏の思いに反して、小保方氏は理研に取られ、笹井氏の下で(特殊な手技抜きで) 仕上げた論文が何とnature誌にアクセブトされてしまった。
若山氏にとっては厄介な事態になった。
これでは再現できないことは分かっているからである。
論文上の矛盾や疑惑が発覚したの機に、最も注目されるキメラマウスや幹細胞株化の再現を要求される前に、若山氏は率先して論文撤回工作に走ることになったのではなかろうか。
その辺の経緯を考えてみよう。
2014年2月28日にSTAP論文の成果は理研の実績として大々的にお披露目したが、本当にそれは理研の成果だっただろうか。
STAP論文の研究主体者は間違いなく小保方晴子氏である。
そしてその論文記載対象の研究活動は小保方氏が正式な理研職員になる以前である。
当時の彼女の研究活動拠点は米ハーバード大のバカンティ研(チャールズ・バカンティ教授)で、留学生として、更に引き続き所属のポスドクとして活動していた。
バカンティ仮説の芽胞様幹細胞(スポアライクステムセル)研究からの発展的研究活動の流れの中で、小保方氏が発見した物理的化学的刺激で体細胞が3胚葉分化能をもつようになるOct4陽性スフェア細胞塊(論文のSTAP細胞に相当)のキメラ形成能を見極める実験が要求されていた。
しかし、バカンティ研では実験ができないために、キメラマウス作製のエキスパートで当時の理研CDBゲノム・リプログラミングチーム(若山研)の若山照彦チームリーダーの協力を留学生時代から得ていて、バカンティ研から出張費を貰いながら、2011年4月から2013年2月まで若山研に客員研究員として派遣されていた。
小保方氏の上記の研究期間に、若山氏はスフェア細胞から独自に特殊な手技でキメラマウス作製に成功し、STAP幹細胞株とFI幹細胞株を樹立し2012年8月に幹細胞株化の特許申請手続きをしている。
また、小保方氏はnature、cell、scienceといった主要誌に、Oct4陽性スフェア細胞作製からキメラマウス形成までの研究論文を投稿し悉く却下され、scienceからも2012年8月に却下されていた。
そこで、(既に若山氏は山梨大へポスドクの小保方氏を助教として迎えたい意向を熱心に小保方氏に伝えていたというが、それを前提に考えての事だろう)若山氏は彼が樹立した幹細胞株化論文作成を小保方氏に指示しており、小保方氏のスフェア細胞論文と幹細胞株化論文の2報の同時投稿の提案をしたと「あの日」に書かれている。
しかし、この若山提案に対してバカンティ研の強硬な反対があったため、今後の研究の方向性を相談するために2012年10月にアメリカに小保方氏は出向いたが、実は小保方氏は若山氏の幹細胞株化の実験補助を止めてバカンティ研に帰って研究しようと考えていた。
ところが、この時点理研の利権のネタへと小保方氏とその研究成果は利用されていくことになるのだが、それが大変な事態に繋がって行く。
2012年3月西川伸一CDB副センター長にTCR再構成解析の助言を得た後、iPS細胞との比較優位性に言及した小保方氏の研究内容は竹市雅俊センター長や松崎文雄GD知るところとなり、画期的な幹細胞研究として注目の的となっていた。
新PI公募の2012年11月、特に幹細胞研究者の募集を掲げていたことから、西川副センター長が直に小保方氏にCDBのユニットリーダー応募を勧誘、小保方氏はバカンティ教授の了解を得て応募し、2012年12月21日内定した。
小保方氏は内定の翌日から、竹市センター長から指導要請を受けた笹井芳樹GDの指導の下でnature誌への論文投稿が理研正職員として最初の仕事になる。
ここで重要なことは、小保方氏はバカンティ研の2報同時投稿の反対の件をすっかり忘れていたかのような振る舞いだ。
また、そうだとしても小保方氏は未だに若山氏からノウハウを教授されておらず、自身で再現しようとして再現できない幹細胞株化の論文を執筆すべきでないし、少なくとも筆頭著者になるべきではなかったと思うのである。
しかし、小保方氏は2報同時投稿の若山提案を笹井氏に伝えると、その通りに論文作成が進められることになった。
そして、笹井氏は小保方氏と一対一で小保方氏のデータベースや情報を基にアーティクルとレターの2報を仕上げていった。
若山氏としては彼自身の指導下で2報同時投稿を予定だったのに、小保方氏が理研RULに応募し採用されるとともに笹井氏指導の下で2報同時投稿とは全くの想定外な出来事だったということになる。
こうして、理研は小保方氏を取り込み、いわゆるSTAP論文articleとletterは理研の笹井氏の絶妙のテクニックによってnature誌にアクセブトされ、理研主催で新万能細胞のSTAP細胞があたかも理研の成果として発表された。
ここで若山氏の立場から今一度俯瞰するとさもありなむと思うのである。
2012年4月1日、若山氏は山梨大学に生命環境学部を新設するにあたり、多額の費用をかけて新設された附属ライフサイエンス実験施設を施設長として研究室に使用できるという破格の待遇を条件に山梨大学に移籍している。
(若山氏は後に山梨大学生命環境学部生命工学科教授兼発生工学研究センターのセンター長)
当時、その重責を背負った若山氏は今後の研究構想を当然のことながら練っていたと思うのである。
その重要なテーマの一つが、小保方氏と彼女のスフェア細胞の有効活用であり、クローン技術の権威として、スフェア細胞の核移植した幹細胞株化とその応用研究を重要テーマとして想い描いていたことは想像に難くない。
それは、小保方氏の幼弱なスフェア細胞からはキメラマウスが何度トライしてもES細胞同様の手法ではできないことを知った若山氏が、独自に「特殊な手技」でスフェア細胞の核移植したクローン胚の活用の見通しを得たからではないだろうか。
それまではバカンティ研の小保方氏への実験協力だったが、自らに51%の特許権利の配分をしたように、その時からは若山氏は幹細胞株化は独自の成果として発展させようと考えていたことが窺われる。
したがって、若山氏の新たな構想展開のために、小保方氏を山梨大学の若山研に是が非でも迎え入れたい思いで、「助教のポジションを用意しているから、一緒に来てほしい」と熱心に誘っていたのである。
ところが、そうした若山氏の構想は上記に述べたように思わぬ形で裏切られ、若山氏のノウハウを表現しなければ再現できないキメラマウスや幹細胞株化を盛り込んだSTAP論文がnature 誌にアクセプトされてしまったという事だろう。
Stap事件-若山氏の「特殊な手技」が記載されなかったSTAP論文 ③
「核移植を一番の専門にしているのに、核移植のいらない初期化方法を発表して、自分で自分の首を絞めている論文の関係者です。」
これは正しく若山氏の本音を述べたものだと私は思う。
そう思う背景を述べてみよう。
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生命工学科 若山研究室 (発生工学研究センター)ホームページより
http://www.bt.yamanashi.ac.jp/modules/gaiyo/index.php?content_id=18
左: マイクロマニピュレーターという顕微鏡に接続した人工腕を用いて、目では見えない卵子やもっと小さな体細胞を自在に操作することができます。
右:卵子に体細胞の核を注入しているところ。
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若山照彦氏は世界で初めてクローンマウスを実現した人物であり、マイクロマニピュレータ操作の名手として知られる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%A5%E5%B1%B1%E7%85%A7%E5%BD%A6
1998年に若山氏は体細胞クローンマウスcumulinaを特技であるマイクロマニュピュレータによって(ホノルル法)はじめて成功した核移植技術の世界的権威である。
現在は周知のごとく、山梨大学発生工学研究センター長(生命工学科 若山研究室教授)である。http://www.bt.yamanashi.ac.jp/modules/gaiyo/index.php?content_id=18
ホームページには若山研の主役のマイクロマニピュレータが10セット稼働中とのことで、研究内容としてクローン技術(=核移植技術)が筆頭に紹介されている。
さて、核移植技術(クローニング)とは核置換動物(クローン)を作る技術である。
受精卵クローニングと体細胞クローニングに大別されるが、後者が現在のクローニングの主流である。
クローン作製は生命の神秘への挑戦であり、そのハードルは著しく高い。
その証拠にクローン動物の出生前、出生時そして出生後において様々な異常の発生があり、その成功率は極めて低い。
若山氏とっては、そうした問題点を克服し、ナチュラルな生殖現象を再現できる核移植技術を確立すること、それが「一番の専門」的な関心事なのである。
それを実現する上でいろいろやることはあるが、最大の課題は「核の初期化」を受精卵と同等にすることである。
http://www.les.yamanashi.ac.jp/modules/kenkyu/index.php?content_id=12
若山氏はこのような流れの中で、核移植ES細胞(nuclear transfer ES : ntES)を活用してクローン技術の向上を進めてきている。
例えば、米国からマウスの尻尾を送ってもらい、その細胞から(直接体細胞の核移植クローンをつくるのではなく)ntES細胞を作り、もう一度核移植してクローン個体を作ることに成功している。
若山氏は自分たちの研究の仕方(アプローチ)について過去に次のように述べていた
「クローンの特異的な異常を分子生物学的な手法で細かく解析して、原因およびメカニズムをつきとめ、それを基に成功率の改善を図る方法と、手当たりしだいに新しい薬品や核移植方法の技術的改良を試み、とにかく成功率の改善をしてしまい、従来法との違いをもとにメカニズムの解析をするという2つの方法がある。核移植はどちらかといえば職人技の世界で、分生物学的なアプローチより後者の方が向いていると筆者(若山氏たち)は考え、毎日、最大で1千個以上の核移植を行っているが今のところ手がかりは何も得られていない。だが、クローン技術は非常に重要なテーマであり、また、わが国が世界をリードしている分野でもある。筆者らはプロの職人(!?)の意地として、技術的なアプローチで次のブレークスルーをめざしている。」
そのブレークスルーのポイントは先に述べたように如何に「核の初期化」を受精卵に近づけることだろう。
以上のような若山氏のバックグランドがある中で、小保方氏のスフェア細胞に出会ったことは格別の意味を持っていたと思われる。
若山氏にとって、小保方氏のスフェア細胞はクローニング研究材料として興味深いものだったがゆえに、その多能性の評価を協力しようと思うのは何ら不思議なことではない。
そのスフェア細胞は3胚葉分化能や疑似テラトーマ発現までは確認できている。
欠点は細胞が弱く、増殖性に乏しいことだ。
細胞死には大別してアポトーシスと称するプログラムされた細胞死と、ネクローシスと称するプログラムされていない細胞死とがある。
ネクローシスは細胞質における障害が関係していることが知られている。
小保方氏は物理化学的な刺激によってほぼネクローシスに近い亜致死状態にした体細胞から、多能性を獲得したスフェア細胞(STAP細胞)を作った。その収率は7~9%と言われたが、細胞質にダメージを与えほとんどが死滅してしまうという細胞にとっては過酷なもので、生き残ったスフェア細胞も当然ながらダメージをうけていたと思われる。
そのために、笹井氏が奇しくも指摘したようにスフェア細胞が通常よりも小さい特徴を持っているが、それは細胞膜が破裂し細胞質が小さくなったからだろう。
折角、多能性を獲得しているスフェア細胞の核はダメージをうけた細胞質に保護されず、細胞の増殖力が乏しい。
そうしたスフェア細胞でダイレクトにキメラマウスを発生させることは全くできなかった。
そこで、クローン技術の有力な手段となってきた核移植ES細胞(ntES細胞)を応用しようとしたのではないか。
多能性を獲得したスフェア細胞の核移植した初期胚から胚盤胞まで培養すれば、ntES細胞が取得でき、元のスフェア細胞のゲノム保存を可能とし増殖性のある細胞として保存できる。
要するに小保方氏の多能性を獲得したスフェア細胞の核が確保されていることが重要なのだ。
だから、近年ゲノムを保存する常套手段としても知られるntES細胞に変化させて保存すれば、いつでもクローニングの実験に使えるようになる。
それは、恐らく若山氏の立場ならばアプローチの方法として想到する技術事項ではないだろうか。
更に、クローン胚の胚盤胞の内部細胞塊からntES細胞を採取すると同時に栄養芽層(栄養外胚葉)からntTS細胞を採取することも可能だろうし、核移植研究の要素を獲得できる。
若山氏は通常の体細胞核移植に対して、そのES細胞核移植の方がクローンの成功率は高いことを究明している。
果たして、小保方氏のスフェア細胞から作出したntES細胞やntTS細胞の核移植でクローンの成功率はどうなるのか?という新たな研究テーマが思い浮かぶに違いない。
そうした流れでの研究過程において、キメラマウスの作製や幹細胞株樹立ができ、光る胎盤試料が残されたとすれば、それは確かに多能性を獲得した小保方氏のスフェア細胞の核を活用した成果物に他ならないのではないか。
そうであるならば、STAP論文の刺激惹起性多能性獲得( Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency)の意義は何ら損なわれていない。
若山氏にとって、彼の「特殊な手技」で小保方氏のスフェア細胞核の多能性を引き出すことに成功した貴重な研究成果だというプライドがあった。
理研は小保方氏を囲い込めば成果を大きく取り込めると姑息なことを考えたことは確かで、核移植を一番の専門にしている若山氏の大きなノウハウが隠された成果であったにもかかわらず、若山氏が決して論文作成を頼んでもいない理研が笹井氏の力でネーチャー誌に論文発表に成功し、事実と異なるトンデモナイ核移植のいらない初期化方法を発表してしまったから、論文の共著者として若山氏も載せられた以上「自分で自分の首を絞めている論文の関係者」になってしまったということだろう。
それ故に、理研が中心になって作成した「特殊な手技」抜きのSTAP論文を許容することはできず、なりふり構わぬ論文撤回に若山氏が動いたのではなかろうか。
それは結局、小保方氏に対しては卑劣な仕打ちとしか言いようのない事態になった。
Stap事件-若山氏の「特殊な手技」が記載されなかったSTAP論文 ②
(体細胞クローンマウスCumulinaに成功した若山照彦氏)
「「特殊な手技」を使って作製しているから、僕がいなければなかなか再現がとれないよ。世界はなかなか追いついてこられないはず」
は、世界の若山氏のクローンマウス研究上の深刻な問題点だったドナーの「核の完全な初期化」と彼の得意とするマイクロマニピュレータを用いた「核移植」の研究の延長線上に答えがあると私は思う。
バカンティ研所属だった小保方氏の研究対象は彼女の見つけたスフェア細胞の多能性現象を研究することだった 。その一環としてキメラマウス作製を若山氏に協力を求めたわけだが、若山氏が快く協力に応じたのは、彼の専門とする「核移植」による動物クローニングの分野への応用を考えていたからではないかと思うのである。
科学者と言うのは自分の得意な土俵で研究を深めていくものだ。
自分の土俵に持ち込める材料を常に探し求めている。
若山氏が欲しかったのは「完全に初期化された細胞核」だった。
小保方氏のスフェア細胞は物理化学的刺激により細胞質が傷つきすぐに死んでしまうが、しかし初期化している細胞核さえ活かせればよい。
それこそが「核移植クローニング」の「特殊な手技」だった。
そのことは、以下に述べる事柄から明らかになるだろう。
あのB6 系統のマウスを作った岡部勝氏(現大阪大学名誉教授)が運営に関わっている「SpermEgg Jornal Club」というメーリングリスト(ML)のmessageがある。
http://www.domoarigato.info/spermegg/Message.cfm?threadid=1030
今一度、このMLのmessageを味わってみと面白い。
STAPネーチャー論文発表直後に、べ氏(岡部勝氏)が常識外のSTAPに驚愕し、専門家らしく懐疑的姿勢に2報のネーチャー論文を分かりやすく紹介しているが、間もなく「Cumulina」というHNで若山氏が登場し、わざわざコメントを掲載した内容が興味深い。
本音を垣間見せながら、自己の得意とするのは核移植なのに、奇しくも核移植を要しない研究に関わってしまったが、あくまで小保方氏主体の研究を手助けしただけだ!という印象付けをしようとしている様子がうかがわれる。
何故、若山氏は「Cumulina」を名乗ったかと言えば、彼の記念すべきクローンマウスの名前だからだ。
柳町 隆造ハワイ大学名誉教授(1928年8月27日 - )という人がいる。
(柳町隆造博士)
柳町氏は、哺乳類の受精過程について一連の機構を明らかにし、生殖医療に広く用いられる体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)などの受精学の世界的な権威である。
その柳町教授の下で留学生であった若山照彦氏が1997年、世界初のクローンマウスを作製することに成功したことは有名である。
その方法は「ホノルル法」と呼ばれ、現在はクローンマウス作りの標準法となっているが、最初に生まれたクローンマウスはその由来体細胞(cumulus cells: 卵丘細胞)に因んで「Cumulina」と命名されたのだった。
若山照彦氏を自己紹介した貴重な記事がある。
“第11回 この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?”. 中高生と“いのちの不思議”を考える─生命科学DOKIDOKI研究室. テルモ科学技術振興財団.
https://www.terumozaidan.or.jp/labo/interview/11/index.html
質問形式で話題が繋がれていて読みやすい。
この記事を読めば、若山氏はクローンマウス作りの世界的権威で、核移植に欠かせないマイクロマニピュレータの特技を活かして、正に彼のライフワークとしての研究成果を上げてきたことが分かる。
下記の3つの質問に対する話は注目すべきことが書かれている。
・───でもなにか、他の研究者ではできないことがあったのでしょう。
・───それで、クローンマウスができたんですか。
・───クローンマウスをつくるのに失敗することはないのですか。
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(マイクロマニピュレータシステム)
▲ 核移植や、核を取り除く作業にあたっては、ピエゾドライブの操作音の変化を耳で確認しながら顕微鏡の画像を見て行う。ピエゾドライブのスティックの操作は足で行う。卵子の移動は口にくわえたピペットで行う。したがってピエゾドライブを用いた核移植には、鼻以外の全身を使い、相当な集中力と熟練の技が要求される
「当初クローンマウスをつくったときの成功率はわずか2%でした。ようやく生まれても、短命のものも多いんです。その原因は、成長したマウスのからだの細胞の核を卵子に移植するときに問題が起きるんです。
私たちのからだは60兆個とも言われる細胞でできていますね。これらの細胞は、最初は1個の受精卵からスタートして、いくつにも分裂して、眼や心臓や手足などそれぞれの細胞になっていきます。これまでは、それぞれの細胞に分化してしまうと、細胞はもとに戻れないと考えられていました。けれども、最近の研究でいろいろな方法、技術によって、何にでもなれる元の状態に細胞を戻すことができることが分かってきたんです。このように細胞を元の全能な状態に戻すことを初期化といいます。パソコンを最初の状態に戻すことを初期化というけれど似たようなものですね。
マウスの体細胞からとった核を卵子に移植したときも、核を完全に初期化しないと、ちゃんとしたクローンマウスが生まれないことが分かってきました。成功率が低いのはこの初期化が不完全だったからです。そこで、いろいろ工夫して、初期化を促進するようにして、いま成功率は6%くらいまで上がっています。」
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若山氏は、これまで開発してきたマイクロマニピュレータによる「核移植クローニング」の「特殊な手技」を用いて、核を抜いた卵細胞に、小保方氏のスフェアの核をインジェクションしてES細胞に変換したのではないだろうか(要するにスフェア細胞核移植ntES細胞である)。
尚、「スフェア細胞塊を切り刻んで注入」するのは「核移植クローニング」の手技の1つかもしれない。
こうしてスフェア細胞のクローン細胞を、健全な細胞質をもつ新たなSTAP細胞として用いれば、従来のES細胞と同様に増殖性を示し、キメラマウスができ、幹細胞株化も出来ると発想し、若山氏はそれを実現していったのではなかろうか。
私と同様な考え方は、既にしたらば掲示板「STAP問題の全解に向けて」の中で語られているので参考になるだろう
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/12348/1492994857/
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No. 2163 (2014/01/29 10:08) べ
http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/pdf/nature12968.pdf
夜のニュースで紹介されていましたが説明が何のコッチャラ?だったのでObokataという名前とNatureで検索して原典を読みました。
正真正銘、超弩級の驚愕です!! 「トリビアの泉」風に紹介すると 「細胞をPH5付近で25分間処理するとES細胞みたいな幹細胞ができる。」しかも10^6個あたりとかそんなケチくさい率ではありません。半分くらいの細胞が初期化されるのだと書いてあります。
え〜っ???PHをさげて25分処理するだけで半分が!!! え〜っ???そんなバナナ!!!
この幹細胞は‘stimulus-triggered acquisition of pluripotency’ (STAP)細胞と名付けられています。レンチウイルスベクターの構築に汗を書いている先生方!去年の夏にScienceに載った化学物質でiPSを試しているヒト(わたしもその一人!)などいろいろおられるとおもいますが、高い試薬を買わなくても、レンチベクターが動物から排出されていないことを証明してP2グレードダウンとかそんなことに時間を使わなくても、ただpH下げるだけでいいみたいですよ!皆さんご苦労さんでした。
要するに刺激を与えると細胞が持っている初期化システムが働いて初期化するのではないか?という風に考えているようです。Intrinsic にそのような経路が存在するとすればiPS以上に細胞分化に関する概念を変革させる発見だとおもいます。Obokita先生スゴイ!(まだ、お若い女性の先生です!)
STAPとESが比較検討されていますが、まずSTAPはESのように増えずにむしろ培養すると死亡?するようです。培養7日目にはOct4+の細胞塊があるので、これをカットしてブラストにインジェクションするとキメラができる。またテトラプロイドのブラストにいれて100%キメラ形成能も確かめています。
でも増えないと扱いにくいですし、卵子にインジェクションして体に戻してからは増えるわけなので、ちゃんと増やし方も検討してくれています。 ACTH-LIFメディウムの中では増えてくれるポピュレーションが取れるそうです。この時ES 細胞マーカーのEsrrbの発現も始まるようなので、STAPがES化したということだと思います。こういう状態のをSTAP-SC(stem cell)と呼ぶそうです。本当におどろきました!
No. 2164 (2014/01/29 10:27) べ
http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/pdf/nature12969.pdf
ObokitaさんのNは連報になっています。STAP細胞はESよりももっと初期化されたスゴイ細胞だというはなしです。こっちはWakayamaさんがラストオーサーです。
基本的にES細胞は胎盤に分化しません(ごくごく稀には分化することを目撃したことはあるのですが、実験で証明できるレベルではありませんでした)。でもできたてのSTAP細胞をブラストインジェクションすると胎盤にも寄与したそうです。1週間でできるのも魅力的ですねえ!
最初の論文ではACTH-LIFで培養することにより増えないSTAPを増殖できるSTAP-SCというES様の細胞に変化を促していますが、その場合には胎盤への分化能がなくなります。そこで、この論文ではFgf4を加えたtrophoblast stem-cell mediumで培養すると体にもトロフォブラストにも分化出来る幹細胞(FI-SC)ができるということです!
結局最初にできるSTAPは原始的な幹細胞でそのままで体細胞にも胎盤にもなれる。一方STAPをACTH—LIFで培養するとES細胞ができ、Fgf4を入れることによって体細胞にも胎盤にもなれるFI-SCができる。ここからES細胞にするにはLIFだけでいいと、そういう細胞系譜がかけるようです。
心筋梗塞の患者には壊死したあたりで生き残っている細胞をPH5の条件を25分さらせば、あら不思議!心筋が蘇生てなことがあと何年かしたら出来上がるのかも知れませんね。脊損の患者さんも最初にグリアができるのでそのあと神経ができなくなるのでダメとか(スイマセンちょっとうろおぼえです)そんなことだったように思いますが、初期化できるのならダメージを受けたあたりを酸性化すればグリアも神経幹細胞に再変化!いろんな応用が考えられます。発生学だけではなくて、医療にも直結しそうな超大発見だと思います。みなさんも是非コメントをお寄せ下さい!
No. 2172 (2014/02/02 02:51) Cumulina
べさま コメントをありがとうございます。核移植を一番の専門にしているのに、核移植のいらない初期化方法を発表して、自分で自分の首を絞めている論文の関係者です。今回の小保方さんの発見はすごすぎたのかレフェリーに相手にしてもらえず、ずいぶん苦労しました。いまマスコミでリケジョとか違う方向で話題になっていますが、本当にすごい研究者で膨大な実験を徹夜続きで行いました。論文ですが、サプリにたくさんのデータが乗っていますが、それもほんの一部です。たとえば細胞の樹立がなかなかできず、STAP細胞を注入したキメラ胚を使って初めて樹立に成功したデータは、当初それだけで論文にするつもりでしっかりした表と解析を行っていたのですが、途中から直接簡単に樹立できるようになり、葬り去られました。実験中にどんどん発展していったのでしょうがないですが、STAP細胞の将来がすごく楽しみです。
Stap事件-若山氏の「特殊な手技」が記載されなかったSTAP論文
Stap事件は2014年に理研が起こした事件である。
その元となったのは下記2つのネーチャー論文の研究不正問題だった。
- Obokata, H.; Wakayama, T.; Sasai, Y.; Kojima, K.; Vacanti, M. P.; Niwa, H.; Yamato, M.; Vacanti, C. A. (2014-07-02). “Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency”. Nature 505: 641-647.
- Obokata, H.; Sasai, Y.; Niwa, H.; Kadota, M.; Andrabi, M.; Takata, N.; Tokoro, M.; Terashita, Y.; Yonemura, S.; Vacanti, C. A.; Wakayama, T. (2014-07-02). “Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency”. Nature 505: 676-680.
以下①はアーティクル論文、②はレター論文そして合わせてSTAP論文と表記する。
私のStap事件の現時点での解釈を述べる。
小保方氏の手記「あの日」で注目すべき証言がある。
若山氏が小保方氏に伝えたものの具体的内容を教えなかった「特殊な手技」という言葉が明確に書かれている個所がある。
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(「あの日」p91)
ある日いつも通りスフェアを(若山氏に)渡すと、「これまではスフェアをバラバラの細胞にしてから初期胚に注入していたが、今日からはマイクロナイフで切って小さくした細胞塊を初期胚に注入してキメラマウスを作ることにした」とおっしゃった。それから10日後、若山先生からキメラができたと連絡を受けた。その上、残りの細胞をES細胞樹立用の培養液で培養したらES細胞の様に増えだしたと報告された。毎日、スフェア細胞を培養し観察していた私は、細胞が増える気配すら感じたことがなかったので大変驚いた。「「特殊な手技」を使って作製しているから、僕がいなければなかなか再現がとれないよ。世界はなかなか追いついてこられないはず」と若山先生は笑顔で話していた。
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更に引き続き、(論文で定義されるような)STAP細胞の存在は若山氏にしか証明できないものだと証言している。
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(「あの日」p91-92)
後にSTAP細胞と名付けられる細胞の存在の証明が、キメラマウス作製の成功、もしくは増殖する細胞であるSTAP幹細胞への変化であるなら、「STAP細胞の作製の成功・存在の証明」は常に若山先生がいなければなしえないものになっていった。
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つまり、若山氏の「特殊な手技」が肝心のネーチャー論文に明記できていないことの証言とも言える。
小保方氏が研究してきた物理化学的刺激によって生じるOct4陽性スフェア細胞の実験は正しいし、そして若山氏が小保方氏の作ったOct4陽性スフェア細胞から「特殊な手技」で作ったキメラマウスや幹細胞株化の実験も正しく行われたのではないかと思う。
STAP論文は、若山氏抜きで、笹井氏と小保方氏によって完成された。
ところが、小保方氏も笹井氏も「特殊な手技」を知らないから、ネーチャー論文中の若山氏の実験データ記載内容に「特殊な手技」が表現されないまま、笹井氏の論文技術によって何故か受理されてしまったのがSTAP論文だった。
そのことに気づくのは若山氏しかいない。
当然のことながら、STAP論文通りのトレースでは再現できない論文であることに若山氏は愕然としただろう。
この論文を是とするなら、その責任の全ては若山氏が被り研究者生命を奪われる破目に陥ってしまう。
だから、どんな手を使ってでも若山氏は率先してSTAP論文を撤回しなければならなかった。
何故そんなことになったのかは、
若山氏が「特殊な手技」を小保方氏に教えていなかったし、小保方氏が徹底して「特殊な手技」の教えを乞うべき重要事項だったのに、「特殊な手技」を抜きにしてネーチャー論文をまとめたことで重大な齟齬が生じたからである。
小保方氏が理研の若山研客員時代に若山氏の指導下で「アニマルカルス論文」に挑戦していた時に、幹細胞株化の論文化の宿題を与えられたが、それは若山研での宿題であった。若山氏はまさか「特殊な手技」を小保方氏が習得せずに去っていくとは考えていなかっただろう。
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(「あの日」p92)
「小保方さんが自分でできるようになっちゃったら、もう僕のことを必要としてくれなくなって、どこかに行っちゃうかもしれないから、ヤダ」
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ところが、「特殊な手技」を知らないにもかかわらず、若山研から離れ、理研CDBのRULに採用されて、そこでその宿題を彼女がSTAP論文に盛り込むとは若山氏は思っていなかっただろう。
一方、笹井氏は小保方氏のOct4陽性スフェア細胞の生成は正しく確認できていたが、若山氏のキメラマウス作製や幹細胞株化は「世界の若山」を信頼していたし、小保方氏の説明も当然理解した内容と思い、若山氏から直接の確証を得ずに論文を仕上げたと思われる。
結局、後に丹羽仁史氏の論文などで証明されている小保方氏パートに付加された「若山氏パート」のテータは再現するべくもない論文だった と言える。
因みに、STAP論文に記載され、表現されたような「STAP細胞」や「STAP現象」は当然のことながら無い と言う他はないのである。
しかしながら、「若山氏パート」正しく実験され若山氏にとっては有意義な研究だったのではないかと思う。
例えばそれはOct4スフェア細胞を活用したntES細胞の研究だったかもしれない。
最後に、上記の考察に至った背景3ポイントを下記に示す。
ポイント1
2014年1月29日、STAP論文に関する成果をマスコミを通して大々的発表したのは、理研。
(着眼点) 当時理研は国立研究開発法人化に向けて、画期的研究成果の事例としてSTAP論文を誇示したかった。
1月30日にネーチャー論文が掲載されると間もなくインターネットを通して論文の不正が指摘され、マスコミや様々な情報社会で炎上、瞬く間に科学コミュニティーから理研の責任問題に発展した。
理研は文科省や国会のテコ入れもあって、旧CDBの解体等の組織改革や不正防止対策等を含め、2014年末までに、STAP細胞研究問題を決着し研究撤退。
ポイント2
STAP論文をネーチャー誌に掲載手続きしたのは理研の笹井氏と小保方氏。
執筆したのは、細胞リプログラミング研究ユニットリーダー(RUL)小保方氏。
タイトルを命名し構成や文章を指導したのは、発生・再生科学総合研究センター(CDB)副センター長の笹井氏。
最も理研が欲しかった記載内容、すなわち若山氏だけが「特殊な手技」で成功したキメラマウスや幹細胞株化データを小保方氏と笹井氏が論文に記載したのは安易だった。後に再現性が取れない条件が記載された可能性が高い。
(着眼点) 2012年、当時CDB副センター長の西川伸一氏からCDBのRUL応募打診を受け採用面接を12月に受け 2013年3月1日小保方氏はRULとなり、STAP論文を仕上げることが初仕事となる。この分野の世界的研究者の笹井氏が全面的に指導し、丹羽仁史チームリーダーもメンターに加わる等、理研がそれほど重要視し成果を取り込もうとしていた。この時、若山照彦氏は山梨大学へ異動し、論文作成にはほとんど関わっていない。
結局、笹井氏の卓抜した論文技術で12月には念願のネイチャー論文(万能細胞の作製法が中心のアーティクル論文と、幹細胞株化が中心のレター論文)が受理された。
ポイント3
STAP論文の元データ
アーティクル論文: 小保方氏パートと若山氏パートのデータ (STAP細胞の生成方法と多能性データ)
レター論文 : 若山氏のデータ (STAP細胞に自己複製増殖能を付与する幹細胞株化と多能性データ)
若山氏パートのデータは若山氏の「特殊な手技」で得られたが、小保方氏はそれを笹井氏にきちんと伝えていなかったに違いない。
(着眼点) 2008年から ハーバード大学医学大学院教授チャールズ・バカンティの指導の元、胞子様細胞(spore-like cells)研究を発展させる実験方法を工夫して物理化学的な刺激で三胚葉への分化能をもつスフェア細胞を発見、ティッシュ‐論文で発表し、それを基にした博士論文「三胚葉由来組織に共通した万能性体性幹細胞の探索」で2011年2月博士号を取得した。
その論文の研究を更に進めるため、小保方氏は2011年4月から当時CDBゲノムリプログラミング研究チームの客員研究員となったが、当時そのチームリーダーの若山氏主導によって、小保方氏のパートではOct4陽性スフェア細胞の生成現象データの蓄積、若山氏のパートではOct4陽性スフェア細胞から、若山氏のオリジナルな「特殊な手技」によってしかできないキメラマウスや無限増殖する幹細胞株のデータの蓄積の中で、小保方氏と一緒に研究活動することを予定していた。若山氏は山梨大に小保方氏を誘ったが、小保方氏は理研のRULとなった。
そのために若山氏から指示されていた「幹細胞株化の論文」が宙に浮いていた。
小保方氏のOct4陽性スフェア細胞に若山氏が「特殊な手技」を加えて達成したキメラマウスや幹細胞株樹立のノウハウは小保方氏が若山研に所属を前提に教えるつもりだったはずだ。
Stap事件 ― 理解できない最大の謎?教えてください!若山先生 ④
最も分からない問題:
Stap事件 ー 軽率なNHKのSTAP報道!BPOが人権侵害の裁定下す (勧告)
小保方氏がNHKに勝利!
2017年2月10日 放送倫理・番組向上機構(Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization, BPO)が、日本放送協会(NHK)に対して“「STAP細胞報道に対する申立て」に関する委員会決定”を下した。
これは小保方晴子氏が委員会に申し立てしていた、「(NHKスペシャル)調査報告 STAP細胞 不正の深層」(2014年7月27日放送)に「人権侵害があった」とする「勧告」決定であった。
勧告:人権侵害(補足意見、少数意見付記)全文PDFはこちら
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私は「Stap事件 ー(NHKに代表される軽々しい取材と報道に踊る)軽率な日本社会」について述べた( 2016.3.29.)。
http://ryobu.hatenablog.com/entry/2016/03/29/011304
こうした社会に向けて放った「あの日」への真相の一矢に続き、二の矢、三の矢を放ち、的確に真相の的を射る集中力が小保方氏にあったと実感する今日この頃である。
・ES細胞盗難告発は「事件の発生自体が疑わしい」として不起訴となる(2016.5.18)
・「(NHKスペシャル)調査報告 STAP細胞 不正の深層」の人権侵害深刻に対する
BPO勧告決定(2017.2.10)
は小保方氏の底力を示すものだ。
今また、あの報道が如何に軽率なものだったかが脳裏に蘇っている。
「あの日」に週刊文春の取材目的が如実に語られたが、
「・・・STAPを書けば部数が伸びました。アンケートも毎週取っていますが、ずば抜けていい数字」
等と明かすほど、現代のマスコミの衆目獲得競争を生き抜く商業主義においては、残念ながら真実は曲解され、虚構の産物になっていくのだが、まさか商業主義とほぼ無縁のNHKが真実を歪めるとは極めて遺憾な事であった。
STAP論文発表後、マスコミは日本の若き女性科学者「リケジョ」の星として小保方晴子氏に注目し報道した。絶好の"報道ターゲット”として科学的題材に限ることなく小保方晴子氏の頭のテッペンからツマサキまで全てを貪るような取材合戦が展開される。 あっという間に小保方氏は一躍STAP劇場のヒロインに祭り上げられた。
しかし、間もなくSTAP論文の不正疑惑が浮上すると小保方氏は一気に“疑惑の主人公”として注目され、“研究捏造の主犯”として絶好の"報道ターゲット”とされていった。
そして、小保方氏独りに絞ったセンセーショナルな事件としてワイドショーに取り上げられ、小保方氏という未熟な研究者が起こした事件として常識化された。それは、小保方氏に原因追及を特化しても偏向的取材とはならない風潮形成となり、マスコミの取材合戦の中で、無批判で情報が受け入れられていった。
そうした風潮に対して、文部科学省及び科学コミュニティーの組織的権力が政治的圧力を理化学研究所(=理研)に及ぼしたことで、当時特定国立研究開発法人(スーパー法人)化指定に向けた絶好のプレゼンテーションだとしたSTAP研究に生じた不正問題を理研はこれまたトップダウンの短兵急な解決を進めた。
小保方氏を含めた責任著者達に改めて指摘された問題点を十分に吟味し、対策させるために一堂に集めて議論させるのが良識的と思うのだが、理研に所属する小保方氏とともに笹井氏や丹羽氏については犯罪者の被告のごとく言動の自由を制限して、論文不正の調査委員会を早々と理研が設定したために、事件性が高まり格好の"報道ターゲット”となっていったと思われる。
しかし、この論文の最も重要なSTAP細胞の多能性評価と無限増殖性の幹細胞化実験を担当した若山氏は責任著者でありながら、何らの制限もされることなく自由な言動ができた。たかるマスコミにちゃっかりと迎合して、論文撤回呼びかけ、あたかも責任者らしい潔さを印象付けに成功する。まんまとマスコミを味方に付けた若山氏は、浮上していた幾つかの論文倫理不正問題の次元ではなく、STAP細胞の存在に関わる疑念を語り始める。そして、若山氏の樹立し保存するSTAP幹細胞の解析結果を基に、小保方氏作ったSTAP細胞の信憑性問題がマスコミを通して拡散させていった。
若山氏だけは真相究明に協力する情報提供者として、マスコミや科学コミュニティに評価され、若山氏は恩知らずの小保方氏の仕出かした不正の被害者として同情される向きもあった。
こうして、STAP関係の記者会見のたびに、マスコミは小保方氏が如何に不正を行ってきたかの情報や見解を探ろうとするような質問合戦が当たり前になっていった。そうした流れの中で、ES細胞によるSTAP細胞捏造疑惑がまことしやかに浮上していくことになる。
こうした世相反映の決定版が「(NHKスペシャル)調査報告 STAP細胞 不正の深層」だった。
正に、STAP細胞は小保方氏が密かに使用したES細胞であるかのように印象付け、権威でありながらそれを見抜くことなくノーベル賞受賞者の山中教授に対抗意識を燃やした笹井氏が、小保方氏の不正や捏造を見抜くことなく論文作成技術だけでネーチャー論文に成功したという根拠を無理やり寄せ集めて、NHKが不正の深層に迫ったとするドキュメンタリー放送を流したのだった。
日本社会の情報の公器ともいうべきNHKの軽率さの改善要求は、視聴料を払う国民として極めて当然であるが、今回のBPOの勧告決定を素直に受入れない態度を示したNHKには失望というほかない。
とはいえ、ひとまずBPOの結果は大いに歓迎すべきトピックである。七色仮面氏の歓びの言葉に共感したところである。
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(七色仮面氏のブログより引用)http://nanamas.my.coocan.jp/nana25e119.html
BPO裁断<小保方さんよかったですね(^◇^)('17/2)
裁断が先延ばしばかりされいて、やっぱりBPOは業界団体のアリバイ造りくらいかと期待など してませんでしたが、とうとう出てきました。最大の糾弾内容、Nスペ番組内容が人権侵害をし ていたという小保方さんの訴えを認める是正勧告を出しました。
聞くところでは、BPO裁断というのは一審のみで裁断結果に対する抗弁とか上訴のようなもの は認められていないそうですから、これは最終決定ということです。
中身については不満もありますが、あれ以上は無理だろうなと納得しています。報道被害の極 致みたいな目にあわれた小保方さん側もBPO裁定に感謝を表明されたそうですよかったです ね。NHKに対する法的措置はしないとのことですが、既に支援者の方達が書かれていたよう に、それがベストの対応ですね。もう、「NHK=人権侵害番組を流して国民を誑かせた」という裁断はこれで決定したわけですから。
それにしても、NHKの見苦しさ(怒)。全く反省の色なく、犬の遠吠え・・・
ウェブ上で中部大学の武田邦彦特任教授が弾劾されていたように、笹井さんの自殺もこの人権侵害の極致みたいな番組を作った輩たちの殺人事件だと私も強く感じました。
BPOは第三者委員会ではなく、業界団体が作ったものですから、いわば身内でさえひどすぎ ると判断したわけで、これは重い裁定です。あるところに、「報道の権利」というなら「報道され る側の権利」をどう考えるのかという怒りの主張がありましたが、私も完全同意します。
彼女は一般国民が律せられる「法律」を犯したわけではありません。あの元理研のとんでも野郎(真偽の程は不明ですが、あえて今回は書いておきますが、ネット情報によれば、某大学教授時代、セクハラ・パワハラ問答を起こし懲戒免職必死だったのを退職してちゃっかり理研に入社したものの、業績があがらず理研からおはいら箱になったそうな)の でたらめ「ES細胞窃盗告発」は、この5月に神戸地検が異例の「窃盗があったことさえ疑わしい」というコメント付きで却下になったわけですから、NHKは法の番人でもないくせに、証拠もなく犯罪者扱いをしたことがどんなに詭弁屁理屈を呈しようが明白だったわけで、それをBPOが認めたということは意義が十分あるでしょう。
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Stap事件 ― 理解できない最大の謎?教えてください!若山先生 ③
若山先生!下記調査結果に何故反論しないのですか?
◎ 若山氏独自で作製したSTAP細胞からSTAP幹細胞を樹立したが、それらも全てES細胞由来である。
STAP幹細胞(FLS-T1、T2)≒ ES細胞(129B6F1ES1)
( 桂調査報告書より http://www3.riken.jp/stap/j/c13document5.pdf )
小保方晴子氏は自著「あの日」に以下の証言をしている。
「第二次調査委員会の調査報告書に盛り込まれた内容の中にも若山先生の証言として『一度だけ、小保方氏が付き添って指導した時に、若山氏がSTAP細胞作製を行い、さらにSTAP幹細胞作製まで到達したことがあった。』と書かれているが、これは真実ではない。すでに書いたように(*)、若山先生が独立してSTAP細胞を作製し、STAP幹細胞樹立まで成功した実験が行われた時、私はその場にいなかった。」(p.210)
「・・・私が笹井研にいる間に、若山先生が最初から最後まで一人で実験をされ、STAP細胞を作製し、そこからSTAP幹細胞の樹立までを独立して成功したと聞いた。」(p116)
この件は、小保方氏の記録があることからすれば、小保方氏が若山氏に付き添って実施された可能性はなく、若山氏独自に全てが成功したと言える。
一体全体、この若山氏の決して消えない実績をどう解釈すればよいのでしょうか?
chayakoban氏のブログ「感染研村山庁舎BSL4施設の稼働中止と移転を求める市民連絡会」の「雑感雑記(10)STAP細胞の謎(2016年6月13日)」に、鋭い指摘が整理されている。http://katakuri.blog.jp/archives/1038796763.html
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下記❶~❻が成り立てば、ES細胞混入犯は小保方氏ではなく若山氏になる。
❶桂調査報告書および若山氏と小保方氏の証言から、若山氏がSTAP細胞作製およびSTAP幹細胞(FLS-T1,T2)の樹立に成功(2013年2月22日)したことは確実である。
❷ES細胞(129B6F1ES1)は一年前(2012年4月19日)に作成された。
❸桂調査報告書は、STAP幹細胞(FLS-T1,T2)がES細胞(129B6F1ES1)由来であると結論した。129B6F1ES1とFLS-T1,-T2は4種のゲノム特徴が一致しており、証明は強固である。
❹ES細胞混入は、STAP(幹)細胞作製のためのSTAP細胞培養中に、またはSTAP幹細胞(樹立)培養中に、成功の偶然性を排除して(必然性を予測して)行われた。
❺若山氏は本実験以前にSTAP幹細胞の樹立に成功していた。STAP幹細胞の樹立方法を知らない小保方氏(または他の研究員)が、STAP幹細胞(樹立)培養中にES細胞を混入しても成功の必然性は予測できない。
❻小保方氏(または他の研究員)がES細胞を入手し、STAP細胞培養中に成功の偶然性を排除してES細胞(129B6F1ES1)を混入することは以下の理由で否定できる。
- 本実験に使用されるマウスの系統(129B6)が分かっても(*)、GFPタイプ(CAG、Acr/CAG)を事前に把握するのは困難であり、129B6F1ES1細胞(CAG)を必然的に選択できない。
- ES細胞の混入による(増殖能の低い)STAP細胞の増殖率や細胞塊の形成などの変異に若山氏が気付く可能性がある。
(*)若山氏は記者会見で「小保方さんはマウスについては全然詳しくなかった」と述べている。また、桂調査報告書は「小保方氏はSTAP細胞を作製する際に若山氏から渡されたマウスの遺伝的背景を把握していなかった」ことを指摘している。
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桂調査報告が正しければ、chayakoban氏の6つの条件は成立すると思われる。