Stap事件 ―  小保方氏の研究パートは有益な事実②               STAP研究は分業 (小保方パートSTAP細胞/若山パートSTAP幹細胞)

小保方手記「あの日」によって、Stap事件の偏見的認識が覆ることになった

 

我々はこのSTAP細胞研究の全てを小保方氏が行い、iPS細胞を超える万能細胞を作ったと思わされていた。

実はその思い込みは完全に間違っていた。

STAP細胞研究の2つのnature論文の筆頭著者が小保方氏であるだけのことだった。

 

1) 分業して研究していた (小保方パートはSTAP細胞/若山バートはSTAP幹細胞 )

 

iPS細胞を凌駕するほどのSTAP幹細胞を樹立したのは若山照彦氏の独自のことである。  (若山パート)

その原料(STAP細胞、Oct4陽性スフェア細胞塊)を提供したのが小保方晴子氏だったのだ。(小保方パート)

 

小保方氏のSTAP細胞が無ければ、若山氏はSTAP幹細胞株を作製はできない。

この研究のオリジナリティーは小保方氏にあることは避けがたい。

若山氏はそのままではすぐに死滅するSTAP細胞を彼の技術力によって、無限に増殖する幹細胞株化を達成することで、名実ともに彼のゴッドハンドを示すことができると思っていたはずだ。

このSTAP幹細胞化こそが、再生医療関係の利権が絡むポイントなのである。

 

理研は当時、特定国立研究開発法人指定を国から取り付けるために、世界的に波及力のあるSTAP幹細胞株実用性の訴求力を、これ幸いと利用しようとしたのだった。

そこで、理研は、小保方氏が全てのパートに精通しているものと誤解していたと思わざるを得ないが、小保方氏を理研のユニットリーダーに採用したのだ。

そして、若山氏は理研に引き止められることなく、予定通り山梨大学に移籍してしまう。

 

こうした背景の下で、nature論文が投稿され、ネット上で論文規律の指摘から大問題に発展した。

 

論文規律上の客観的な違反行為は確かにあったことを小保方氏は認め謝罪した。

原因は彼女の未熟さだけであり、悪意による捏造があったとの解釈は当らない。

ところが、若山氏の樹立したSTAP幹細胞株の解析結果が、残存するES細胞の遺伝子と酷似するとの根拠から、STAP現象の中身はES細胞その物だとする理研の結論で決着した。

 

43株ものSTAP幹細胞株を若山氏は樹立したその全てに小保方氏かES細胞を混入するなど、彼女の研究とは全く無縁で、何の意味をももたらさないことは、それまでの彼女の研究経過を知っていれば明らかなことだ

丹羽氏も指摘したように、ES細胞が上手く混ざらないので、いちいちそんな馬鹿なことはやることを考えた桂調査委員会の話は無茶苦茶で、検体履歴や解析結果やその考察に疑念を持たなかったとはおかしなことだ。

もともと、若山研でマウスが管理され、多能化能力を獲得すれば緑に光るOct4-GFPマウスを作って、小保方氏に渡されていた。

彼女にとって、Oct4陽性スフェアのキメラマウス確認テストこそが若山氏に協力要請した事だった。

彼女にとって、アーティクル論文投稿の関門だった多能性の出来栄え評価の項目だった。

そのマウスを用いて小保方氏は外的なストレス作用(ATP等の酸性環境下)でOct4陽性スフェア(STAP細胞)がどんなメカニズムでできるのか、細胞の変化過程を研究し、その多能性の評価との対応性を科学的にキャラクタリゼーションすることに精力を注いていた。 ・・・・ 小保方パート 

 

一方、若山氏は小保方氏のOct4陽性スフェア細胞塊を切り刻んで、胚盤胞に注入し、キメラマウスをつくり、特殊な技術で無限に増殖する幹細胞株(STAP幹細胞株)を樹立した。

さらに、特殊な技術で、未だに疑問の光る胎盤まで作って見せた。

若山氏はこのSTAP 幹細胞の実用化に熱意を示し、特許出願を主体的に推進する。

そして、その利権を確保したい狙いを強く思っていた。 ・・・・ 若山パート

 

「あの日」には、これらの全てが理解できるように書かれている。

 

2) 若山氏は逃げた/小保方氏は戦った 

 

STAP論文が単なる論文規律上の問題から、騒々しい研究捏造不正疑惑に発展する中で、若山氏は自身が目論んだSTAP幹細胞株化技術の主体者であることは隠し、小保方氏がアーティクルとレターの筆頭著者であることをいいことにして、あたかも小保方氏が全てのSTAP細胞研究を独自に進めていて、その側面からの協力をしていただけのように演出していたことがよく分かった。指導責任だけを問われるように仕組んだ。そして、若山氏は逃げた。

 

小保方氏が「200回もSTAP細胞作製に成功している」と話したとき、嘲笑を買ったが、それはSTAP幹細胞やキメラマウスの若山パートまでを200回成功したものと誰もが誤解していたのではないだろうか。

これは、実際に研究し実験していた小保方氏の認識は、マスメディアによって伝えられる情報からでは共有されることが無かったからで、2016年1月出版の小保方晴子著「あの日」によってようやく理解できた。

 

小保方氏は厳しいバッシングにより、鬱病状態になり、闘病生活をする中でも、終始一貫して小保方バートのSTAP細胞(Oct4陽性スフェア)の事実を必死で訴え続けた。

理研による監視付の論文記載条件に限られた酸処理ストレス下での再現実験でも、尋常でない実験量をこなしていた。

下條竜男氏はその著書『物理学者が解き明かす重大事件の真相』の中で、

「ここで注目すべきは「全部で1,615個の細胞塊を宿主胚に移植し845個の胚発生を確認した」という途方もない実験の回数だ。」  (世界における再現実験数は全部合わせてもわずか133個だそうです)

「もしSTAP細胞ES細胞説が真相であり、それに小保方氏が深く関わっているとしたら、徒労に終わるとわかっている実験を1615回も繰り返し行えるだろうか。もちろんただの印象論にすぎないが、やったとしても、せいぜい数百回でお茶を濁すところではないか。」

 

2014年12月19日、理研の検証実験チームと小保方氏自身による再現実験もSTAP細胞を再現できなかったと発表された。論文で主張されたSTAP細胞は再現できなかったとされた。

統括責任者の相沢真一氏は記者団の前で発表終了後、退席しかけて突然振り返ると、再びマイクを手に報道陣に向かって話しかけた。

「今回の検証は、科学のやり方ではない。犯罪者扱いは科学にあってはならない。」

小保方氏のコメントもあった。

「どのような状況下であっても必ず十分な結果をと思い必死に過ごした3ヶ月でした。予想をはるかに超えた制約の中での作業となり、細かな条件を検討できなかったことが悔やまれますが、与えられた環境の中では魂の限界まで取り組み、今はただ疲れ切り、このような結果にとどまってしまったことに大変困惑しております。」

 

高田敞氏ホームページ「へいこく雑記帳---がんばれ小保方晴子さん」を見ると興味深い記載がある。

http://www5f.biglobe.ne.jp/~kareno/obokata/24newtonkiji.html

//////たとえば、ボクシングのチャンピオン戦を考えてみよう。チャンピオン側が、挑戦者の足を縛って戦うことを条件にしたらどうだろう。それで勝ったとして、本当にチャンピオンが強いといえるだろうか。///////

////// 理研は、なぜ、再現実験に、(科学のやりかたではない)(予想をはるかに超えた制約)を課したのかを説明する必要がある。そしてそれがSTAP細胞の再現にどれくらいの影響を与えたのか科学的に明確にしなければ、科学としての検証実験とはいえない。///////