Stap事件 ― 小保方氏の研究パートは有益な事実② STAP研究は分業 (小保方パートSTAP細胞/若山パートSTAP幹細胞)
小保方手記「あの日」によって、Stap事件の偏見的認識が覆ることになった。
我々はこのSTAP細胞研究の全てを小保方氏が行い、iPS細胞を超える万能細胞を作ったと思わされていた。
実はその思い込みは完全に間違っていた。
STAP細胞研究の2つのnature論文の筆頭著者が小保方氏であるだけのことだった。
1) 分業して研究していた (小保方パートはSTAP細胞/若山バートはSTAP幹細胞 )
iPS細胞を凌駕するほどのSTAP幹細胞を樹立したのは若山照彦氏の独自のことである。 (若山パート)
その原料(STAP細胞、Oct4陽性スフェア細胞塊)を提供したのが小保方晴子氏だったのだ。(小保方パート)
小保方氏のSTAP細胞が無ければ、若山氏はSTAP幹細胞株を作製はできない。
この研究のオリジナリティーは小保方氏にあることは避けがたい。
若山氏はそのままではすぐに死滅するSTAP細胞を彼の技術力によって、無限に増殖する幹細胞株化を達成することで、名実ともに彼のゴッドハンドを示すことができると思っていたはずだ。
このSTAP幹細胞株化こそが、再生医療関係の利権が絡むポイントなのである。
理研は当時、特定国立研究開発法人指定を国から取り付けるために、世界的に波及力のあるSTAP幹細胞株実用性の訴求力を、これ幸いと利用しようとしたのだった。
そこで、理研は、小保方氏が全てのパートに精通しているものと誤解していたと思わざるを得ないが、小保方氏を理研のユニットリーダーに採用したのだ。
そして、若山氏は理研に引き止められることなく、予定通り山梨大学に移籍してしまう。
こうした背景の下で、nature論文が投稿され、ネット上で論文規律の指摘から大問題に発展した。
論文規律上の客観的な違反行為は確かにあったことを小保方氏は認め謝罪した。
原因は彼女の未熟さだけであり、悪意による捏造があったとの解釈は当らない。
ところが、若山氏の樹立したSTAP幹細胞株の解析結果が、残存するES細胞の遺伝子と酷似するとの根拠から、STAP現象の中身はES細胞その物だとする理研の結論で決着した。
43株ものSTAP幹細胞株を若山氏は樹立したその全てに小保方氏かES細胞を混入するなど、彼女の研究とは全く無縁で、何の意味をももたらさないことは、それまでの彼女の研究経過を知っていれば明らかなことだ。
丹羽氏も指摘したように、ES細胞が上手く混ざらないので、いちいちそんな馬鹿なことはやることを考えた桂調査委員会の話は無茶苦茶で、検体履歴や解析結果やその考察に疑念を持たなかったとはおかしなことだ。
もともと、若山研でマウスが管理され、多能化能力を獲得すれば緑に光るOct4-GFPマウスを作って、小保方氏に渡されていた。
彼女にとって、Oct4陽性スフェアのキメラマウス確認テストこそが若山氏に協力要請した事だった。
彼女にとって、アーティクル論文投稿の関門だった多能性の出来栄え評価の項目だった。
そのマウスを用いて小保方氏は外的なストレス作用(ATP等の酸性環境下)でOct4陽性スフェア(STAP細胞)がどんなメカニズムでできるのか、細胞の変化過程を研究し、その多能性の評価との対応性を科学的にキャラクタリゼーションすることに精力を注いていた。 ・・・・ 小保方パート
一方、若山氏は小保方氏のOct4陽性スフェア細胞塊を切り刻んで、胚盤胞に注入し、キメラマウスをつくり、特殊な技術で無限に増殖する幹細胞株(STAP幹細胞株)を樹立した。
さらに、特殊な技術で、未だに疑問の光る胎盤まで作って見せた。
若山氏はこのSTAP 幹細胞の実用化に熱意を示し、特許出願を主体的に推進する。
そして、その利権を確保したい狙いを強く思っていた。 ・・・・ 若山パート
「あの日」には、これらの全てが理解できるように書かれている。
2) 若山氏は逃げた/小保方氏は戦った
STAP論文が単なる論文規律上の問題から、騒々しい研究捏造不正疑惑に発展する中で、若山氏は自身が目論んだSTAP幹細胞株化技術の主体者であることは隠し、小保方氏がアーティクルとレターの筆頭著者であることをいいことにして、あたかも小保方氏が全てのSTAP細胞研究を独自に進めていて、その側面からの協力をしていただけのように演出していたことがよく分かった。指導責任だけを問われるように仕組んだ。そして、若山氏は逃げた。
小保方氏が「200回もSTAP細胞作製に成功している」と話したとき、嘲笑を買ったが、それはSTAP幹細胞やキメラマウスの若山パートまでを200回成功したものと誰もが誤解していたのではないだろうか。
これは、実際に研究し実験していた小保方氏の認識は、マスメディアによって伝えられる情報からでは共有されることが無かったからで、2016年1月出版の小保方晴子著「あの日」によってようやく理解できた。
小保方氏は厳しいバッシングにより、鬱病状態になり、闘病生活をする中でも、終始一貫して小保方バートのSTAP細胞(Oct4陽性スフェア)の事実を必死で訴え続けた。
理研による監視付の論文記載条件に限られた酸処理ストレス下での再現実験でも、尋常でない実験量をこなしていた。
下條竜男氏はその著書『物理学者が解き明かす重大事件の真相』の中で、
「ここで注目すべきは「全部で1,615個の細胞塊を宿主胚に移植し845個の胚発生を確認した」という途方もない実験の回数だ。」 (世界における再現実験数は全部合わせてもわずか133個だそうです)
「もしSTAP細胞=ES細胞説が真相であり、それに小保方氏が深く関わっているとしたら、徒労に終わるとわかっている実験を1615回も繰り返し行えるだろうか。もちろんただの印象論にすぎないが、やったとしても、せいぜい数百回でお茶を濁すところではないか。」
2014年12月19日、理研の検証実験チームと小保方氏自身による再現実験もSTAP細胞を再現できなかったと発表された。論文で主張されたSTAP細胞は再現できなかったとされた。
統括責任者の相沢真一氏は記者団の前で発表終了後、退席しかけて突然振り返ると、再びマイクを手に報道陣に向かって話しかけた。
「今回の検証は、科学のやり方ではない。犯罪者扱いは科学にあってはならない。」
小保方氏のコメントもあった。
「どのような状況下であっても必ず十分な結果をと思い必死に過ごした3ヶ月でした。予想をはるかに超えた制約の中での作業となり、細かな条件を検討できなかったことが悔やまれますが、与えられた環境の中では魂の限界まで取り組み、今はただ疲れ切り、このような結果にとどまってしまったことに大変困惑しております。」
高田敞氏ホームページ「へいこく雑記帳---がんばれ小保方晴子さん」を見ると興味深い記載がある。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kareno/obokata/24newtonkiji.html
//////たとえば、ボクシングのチャンピオン戦を考えてみよう。チャンピオン側が、挑戦者の足を縛って戦うことを条件にしたらどうだろう。それで勝ったとして、本当にチャンピオンが強いといえるだろうか。///////
////// 理研は、なぜ、再現実験に、(科学のやりかたではない)(予想をはるかに超えた制約)を課したのかを説明する必要がある。そしてそれがSTAP細胞の再現にどれくらいの影響を与えたのか科学的に明確にしなければ、科学としての検証実験とはいえない。///////
Stap事件 ― 小保方氏の研究パートは有益な事実① 和戸川純氏のブログより
和戸川純氏の「夢と現実のエッセイ評論」と言うブログがある。
http://essay-hyoron.com/index.html
とても興味深いテーマを判りやすく書いておられる。
そこに同氏は「小保方晴子が愛するSTAP細胞 」と題する記事を書いている。
非常に優れた視点で、小保方氏に邪念は無く、彼女の研究パートは正しく実行されたことを支持した内容が分かりやすく書かれている。
その中で特に私が注目した記事の一部を取り出してみる。
和戸川氏は、若き女性研究者、小保方晴子氏の真面目で真摯に課題と向き合う姿を鋭く見抜いている。和戸川氏は【小保方の真意】に迫っている。和戸川氏は『1月31日 / 会見からたった3日後に、小保方が、理研のウェブサイトに次のようなメッセージを載せた。大騒動に仰天した小保方の姿が見える。 同時に、多くの報道とは異なる、研究に対する彼女の真摯さをうかがうことができる。記録として価値があるので、ここに全文を書き残す。』
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STAP細胞研究はやっとスタートラインに立てたところであり、世界に発表をしたこの瞬間から世界との競争も始まりました。今こそ更なる発展を目指し研究に集中すべき時であると感じております。
しかし、研究発表に関する記者会見以降、研究成果に関係のない報道が一人歩きしてしまい、研究活動に支障が出ている状況です。また、小保方本人やその親族のプライバシーに関わる取材が過熱し、お世話になってきた知人・友人をはじめ、近隣にお住いの方々にまでご迷惑が及び大変心苦しい毎日を送っております。真実でない報道もあり、その対応に翻弄され、研究を遂行することが困難な状況になってしまいました。報道関係の方々におかれましては、どうか今がSTAP細胞研究の今後の発展にとって非常に大事な時期であることをご理解いただけますよう、心よりお願い申し上げます。
STAP細胞研究の発展に向けた研究活動を長い目で見守っていただけますようよろしくお願いいたします。
小保方晴子
『使った細胞はひ臓の血液細胞なので、たとえ万能性遺伝子の活性があったとしても、とても低いと思われる。さらに、弱酸性溶液で処理すると、細胞自体の活性が落ちるので、全遺伝子の活性も間違いなく落ちてしまう。それにもかかわらず、万能性遺伝子の活性があったということは、とても重要な結果と考えられる。
この所見を無意味なものと結論づけたいので、 新聞では「活性は100分の1以下だった」と述べられている。正確にどれくらいの活性があったのかを、知りたいものだ。たとえ200分の1の活性だったとしても、万能性遺伝子の活性がとても高いES細胞との比較なので、この実験結果には大きな意味がある。
ただし、この程度の活性では、キメラマウスの作製には成功しない、という結果が得られたことになる。活性を上げる実験を積み重ねていって、もっと高い万能性活性にすれば、キメラマウスの作製に成功するはずだ。』
と生物科学者として和戸川氏は鋭い指摘をしている。
これは小保方氏の研究パートのSTAP細胞(oct4陽性スフェア細胞塊)作製 部分に大きな意味をもった実験だったと述べているのだ。
和戸川氏ブログのこの「小保方晴子が愛するSTAP細胞 」にStap事件の中の小保方晴子氏の一途な研究を、如何にくだらないことで潰したかのエキスが書かれているので、是非読んでいただきたい。
この記事の最後に書かれていることは、極めて重要な指摘であるので載せておく。
『小保方の研究に疑問を呈する研究者は、笹井の見解に論理的に反論しなければならない。 その程度のこともやらない(できない)研究者には、小保方を批判する資格はない。
全く当り前なことだが、科学的な問題は、科学的な議論をできる場で、徹頭徹尾科学的・論理的に討論しなければならない。』
※(筆者注)
笹井氏の見解とは、(和戸川氏がこの記事にも述べているが)
Stap事件 ― 建設的な議論とは何かを考えてみよう!
~アノ姐さん アホがカウントしているよ~
と、わざわざ筆者のブログを紹介し、私をアホ呼ばわりしている乱暴者がいた。
Stap事件 ― STAP細胞をめぐる最近の話題、そして気になる事
2年前に理研がSTAP研究をあっさりと撤退したのとは裏腹に、日本社会にはその撤退理由に釈然としない人々が大勢いる。
Stap事件 ― 「STAP細胞塊を切り刻む」とは「ES細胞混入操作に類する手技」だった?
Stap事件 ― 「小保方氏の研究姿勢」と「ES細胞による捏造」は結びつかない
小保方晴子著「あの日」に書かれた彼女の研究姿勢に焦点を絞ってみる。
小保方氏の「あの日」の「第三章 スフェア細胞」「第四章 アニマル カルス」に彼女の研究姿勢が興味深く書かれている。
小保方氏は若山研の研究員の協力によって、ストレス処理後の細胞のライブセルイメージング実験を実行する。
これは、「脾臓中に含まれる、もともとバラバラのリンパ球にストレスを与えOct4陽性細胞に変化していくまでの過程を追う実験系を考え、少しずつ実験を進めていた」中での最も重要な実験だ。
このライブセルイメージング実験で、緑と赤のフィルターで、死細胞の自家発光とOct4陽性細胞のGFP緑色蛍光をしっかりと識別している。
この実験によって、iPSでの体細胞の初期化は培養中の細胞分裂過程に起こるのに対して、スフェア細胞(STAP細胞)は“細胞分裂を必要としない初期化”が起こっている可能性を彼女は発見している。
iPS細胞作成過程の初期化とは全く異なる、スフェア細胞独特の初期化メカニズム究明に彼女の研究意欲は根強い。
彼女は「ストレス処理後に起こる細胞の変化過程に対する私の興味はさらに強まった」と表現している。
もともと「ストレス処理後に起こる細胞の変化過程」が彼女の目指す研究のテーマであったし、ノウホワイの科学者らしいテーマである。
小保方氏は、バカンティー研に留学中にスポアライクステムセルの研究から得たOct4陽性を示すスフェアの発生メカニズムの仮説証明を課題にしていた。
その仮説とは「Oct4陽性細胞は生体内にそのままの状態で存在しているのではなく、培養している過程で細胞に変化が起こりOct4陽性細胞になった」というものである。
これを機に、彼女は、細胞に様々なストレス処理後における細胞の挙動の観察を通して興味深い思索をし続けていた。
実験結果を素直に眺め、現象の因果関係をキャラクタリゼーションし続ける姿勢が実に興味深い。
2011年3月11日の東日本大震災の影響で、小保方氏はポスドクとして予定していた米国行を変更して、若山研で実験することになる。そして、Oct4-GFPマウスを使って、緑色に光るOct4陽性スフェア作製のストレス条件を検討した。
その結果、(細胞膜が損傷しやすいストレスとして)細いガラス管の中を通すストレス、浸透圧をかけるストレス、ストレプトリジンOという薬剤に晒すストレスかけた時に、細胞に熱をかけるストレスや低栄養の培地中で培養し飢餓状態に対するストレスに比べてOct4陽性の小さな細胞ができてくる割合が多いことに気づいた。
小保方氏の気づいたことは、
- 幹細胞は共通して細胞質が小さいこと
- 幹細胞になる細胞は、細胞膜が損傷する
であり、細胞質が外に漏れだすために細胞が小さくなるのではないだろうか等を推定する。
ここで、彼女は大胆なアイディアを発想する。
「エピジェネティクスで変化が起きた核内を操作して幹細胞化する技術は近く開発されるような予感がしたが、この時に浮かんだ細胞質を操作して幹細胞化するというアイディアに私は強く引き付けられていた。」
「通常では、核からの指令によって細胞の運命は決定されていると考えられているが、実は細胞質の中の分化を決定しその状態を安定させる因子が含まれているのではないだろうか。」
そして、既知研究成果の「繊維芽細胞の細胞質をT細胞の細胞質に入れ替えると、その細胞はT細胞の性質を示すようになる」という事実が自己の仮説を補佐しているとした。
こうして、「(核内を操作する従来の方法ではなく)細胞質を操作して幹細胞化する」という着想に至っている。
更に、細胞質の構成要素のミトコンドリアに注目し、多能性幹細胞と体細胞のミトコンドリアの質と量の違いがあることから、スフェアのOct4陽性細胞と元の体細胞のミトコンドリアを実際に比較観察して、Oct4陽性細胞のミトコンドリア数が大きく減っていることを確認し、活性酸素量、ストレス耐性に関与する遺伝子の発現量、DNA修復に関与する遺伝子の発現量も比較実験した。
そして、元の体細胞ばかりでなくES細胞等既成の多能性幹細胞とは異なるミトコンドリアの性質がスフェアOct4陽性細胞にはあるらしいことまで調べ上げている。
そのうえで、「ストレス処理後の体細胞のOct4陽性細胞への変化過程のメカニズムに迫ることは、私にとって一番の興味対象となった」としたのである。
こうした小保方氏は柔軟な発想と研究姿勢を発揮して、2011年10月頃、Oct4陽性細胞塊作製の良好な条件としてATPに細胞を晒すストレス条件を見つけている。
若山氏も「うん、ちゃんと光っているね」と言ったとする条件ができ、若山氏のキメラマウス作製実験に力が入ることとなったと記している。また、若山氏の助言で新生児マウス(赤ちゃんマウス)を細胞塊作製に使用してOct4陽性細胞塊の頻度の向上が図られたようだ。その原因についても彼女は思いを馳せ、細胞の真理に興味を深めている。
一方、若山氏は小保方氏の研究方針とは全く異なっていた。
「Oct4陽性細胞という多能性を示す細胞が採取できるならば、キメラマウス作製こそが最重要なデータであり、iPS細胞のような(無限に増殖できる)幹細胞ができるかもしれない可能性を追うことを目的とすべきだ」と小保方氏に話したと記されている。
それは最早、小保方氏への助言というより、また研究協力者の立場を越えて、若山氏自身の研究テーマ設定にしてしまった感がある。事実、小保方氏には胚操作技術など全く教えなかった点は注目のポイントである。
細胞の心理追求に興味を示す基礎研究志向の小保方氏に対して、若山氏はiPS細胞に対抗する万能細胞実用化の最適なテーマとして功名心を掻き立てられていたに違いない表現が記されている。
そして、若山氏は小保方氏にOct4陽性細胞塊を供給させる役割と論文作成を担わせて、若山氏と若山研研究員がキメラマウスを作り、幹細胞株を樹立していくことになる。
かなり強引とも受け取れる若山氏の進め方は「第五章 思いとかけ離れていく研究」なる表題に小保方氏の気持ちが如実に表現されていることは、上記の経過からして明白である。
小保方氏は幹細胞株化は若山氏の研究であり、本来の自分の研究ではないという意識を強く思っていた。
そして、ついに「2012年10月、私は若山先生のもとを離れアメリカに帰る決心をした」と記している。
しかしながら、理研CDB副センター長の西川氏からPIのユニットリーダーに応募要請に応じたことが小保方氏の悲劇になったといってもよいだろう。
この時点で、若山氏の幹細胞株樹立は理研が知った上での小保方氏採用だったことは明らかで、新万能細胞として「STAP細胞」を理研の成果物として国内外にアピールして理研の評価を高めることが主眼だったはずだ。
そこには当然、内外の組織、団体間あるいは個人の様々な利害関係が絡む問題が渦巻いていたと思われる。
小保方氏の研究姿勢に見られる純真な思いから想像もつかない、ES細胞混入疑惑の主人公にされていったことは、彼女の研究の一貫性からは極度にかけ離れた邪推としか思えない。
あの時、アメリカに戻って自分の研究方針に従って研究すべきだったのではないだろうか。
今頃、「ストレス処理後の体細胞のOct4陽性細胞への変化過程のメカニズム」の研究を進め、研究者として実績を積んでいたに違いない小保方氏が目に浮かびそうである。
小保方氏による「ES細胞による捏造」などと疑う輩やそれに同調する輩は異常な人間としか思えない。
Stap事件 ― ちょっと気になる gg2氏の話
「結論ありき」の非専門家ブログが社会を混乱させている:世界三大不正STAP事件の正しい理解を社会に広める会
という、いささか問題含みの公開ブログを見つけました。その管理人はどこぞの再生医療関係分野の大学教員または職員らしい人物のようで、その分野の学生または関心のある人たちにコメントを自由に書かせている。ほとんどがSTAP細胞または小保方氏擁護の批判記事である。
そんな中に「STAP 細胞って何だと思いますか?」と言う記事のコメントの中で、ちょっとユニークで気になったgg2氏の書き込みを見つけた。本人は妄想と言っているが、iPS細胞を中心にした面白い書き込み部分を転載する。
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- 2016年07月29日 17:16
- >88. plus99%さん
>89. アノ姐さん
>90. 理系学部卒
いろいろ見解ありがとうございます。
こちらの発生細胞生物学の世界はiPS細胞を中心に研究を深めていく意義は極 めて大きいと思いますよ。
調べてみると、山中先生はラグビー部だっただけあって、その執念と粘着力と発想力そして実行力は凄いですね。
奈良先端科学技術大学院大学での山中助教授時代の研究成果でしたね。
資金調達も含めて研究環境を一身に背負って作り上げていった山中先生、そして3人の弟子の高橋和利さん、徳沢佳美さん、海保英子さんとともに根気強く諦めないチームワークのなかで個人の知恵を発揮していった結果が山中4因子の発見だったのですね。
22000以上の遺伝子の中から抽出されたのですが、そのヒントはES細胞に特異的に発現するFbx15という遺伝子(多能性を獲得マーカー)にあったということでしたね。
そして、Fbx15の発現に着目してマウスの遺伝子公共データベース(http://read.gsc.riken.go.jp/)から100因子に絞り、更にノックアウトマウスで残した100個の遺伝子の機能を分析して24因子に絞り込む。そこから24因子に特定。
ここから、24種全組合せ1677万7215通りの実験で30年もかかりそうなことを高橋和利氏のスマートな実験手法で山中4因子を抽出に成功しました。
初期のiPS細胞はFbx15-iPS細胞はES同等の万能性のあるNanog-iPS細胞をはじめとして改良されていきます。
そして、余談ですが、チームの絆で、Cell論文発表まで「Oct4因子」以外の話はし ない機密を保持の意義も大きいです。
92. gg2
- 2016年07月29日 17:19
- (続き)
> 91で、私が言いたかったことはiPS細胞とは山中4因子を抽出した山中先生達研究チームの素晴らしさです。
そして、22000以上の遺伝子中の山中4因子に初期化の秘密があるなんて生物の神秘に改めて感動です。
高橋和利氏がHERV-Hが分化抵抗性iPS細胞において特異的に異常な活性化を示す発見もあります。
物凄い不思議なメカニズムが隠されているのでしょうね。
この分野は研究者達にとっては興味の尽きない研究対象があるということが私のような古い頭でも興奮します。
iPS細胞の成果を基礎にして、若い人たちに是非、生物の神秘の解明をしてもらいたいものです。
(reference)
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%A4%9A%E8%83%BD%E6%80%A7%E5%B9%B9%E7%B4%B0%E8%83%9E#.E5.88.9D.E6.9C.9F.E5.8C.96.E3.81.AE.E5.8E.9F.E7.90.86.E8.A7.A3.E6.98.8E
2) http://electronic-journal.seesaa.net/article/419094067.html
3) http://mugendai2.hatenablog.com/entry/20121022/1350859249
4) http://www.cell.com/cell/abstract/S0092-8674(06)00976-7?cc=y
5) http://www.jst.go.jp/ips-trend/about/story/no06.html
6) http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/ktakahashi/?p=1439
93. gg2
-
2016年07月29日 19:24
- iPS細胞はES細胞の人道的上の問題を克服した人工多能性幹細胞ですね。
当初、DNAのメチル化度などの点でES細胞と異なっていたため、iPS細胞は構造上の差異を有すると信じられていました。
しかし、最近の研究では、両者の間に構造上の明確な差異は全く存在しないことが解明されてきました。
化学的な物質としてみたら構造的にiPS細胞もES細胞も同じものなのです。
名称の違いは作製手法だけの違いだけということになるわけです。
調べてみるとそうしたこともしっかりと研究され、意外な事実に私は驚きました。
94. gg2
-
2016年07月29日 19:30
- 「iPS細胞の発明と特許」
http://www.hirota-pat.com/topics/Joint%20SeminarMATSUDA.pdf
> 93に書いたことを含めて、こには興味ある内容がかかれています。
95. gg2
-
2016年07月29日 20:23
- 既に>85で書きましたが、アノ姐さんの説明していただいたように「化学iSP細胞は遺伝子導入によらず、化学物質を使って山中4因子を働かせて初期化した」ことになっているかもしれません。
(筆者注)
- しかし、使用した化学物質、FSK,VPA,CHIR,616452,TranylそしてDZNepを作用させると山中4因子を導入する必要がなくなることは述べられていますが、山中4因子それぞれの遺伝子にそれぞれの化学物質が紐付けされて述べられてはいません。
ひょっとしたら紐付されているとの文献はあるのでしょうか?
私はまだそこまでの研究はなされていないのではないかと思っています。
ここは非常に重要な研究課題だと思います。
山中4因子という4つの遺伝子が化学物質でどのように作用するのかが解明されればこれもノーベル賞ものではないでしょうか?
何故なら、人工的な遺伝子操作によらず、人工的な化学物質を使って初期化するわけですからね。
96. gg2
-
2016年07月29日 21:24
- 例えば、先に述べた「化学iSP細胞」などは当該科学技術のほんの一部なわけです。STAP細胞より以前の研究ですし、化学物質を使った技術はほかにも京大斎藤教授達の「ヒトiPS細胞からのヒト始原生殖細胞の誘導」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/150717_1.html
という研究もあります。
そうした背景の中で、「STAP細胞」が突如発表になったわけですから、私でも恐ろしくタイミングが悪いことになったわけです。
実は官民挙げて、もしもSTAP細胞のほうがiPSよりも超簡単で品質もコストパーフォーマンスが良いとなれば、
今更どのように体制と予算を組み替えるかは想像を絶する大問題になっていきます。
科学的にいくら優れていたとしても、一旦国家的に進めた面舵をきって、方向転換等は困難なのです。
丁度、エジソンとニコラ・テスラの直流と交流の競争でエジソンが名を残し、テスラを葬らざるを得なかった話のように、ビデオのVHSとベータマックスの世界的な規格競争があったように実用化上は新技術は良い悪いにかかわらず淘汰されるものがあることは常識です。仕方のないことです。
単に不正問題の視点ではなく、止むを得ない組織的、国家的戦略の犠牲が生じる場合があることを知っておく必要があるのですよ。
そのような戦略的取捨選択の犠牲もありうることを、新しい研究の場合はあることを理解しておく必要があると思うわけです。
97. gg2
-
2016年07月29日 21:54
- >96で述べた話はあくまで私の妄想です。
妄想をもう少し話しますね。
何故、理研を中心に特別に優秀な科学者や研究者がSTAP問題にこれほどまでに静かにしているか不思議に思いませんか?
擁護だの批判だのと騒いでいるのは一流の科学者や一流の学者達でもありませんね。騒いでいるのは門外漢や学生や二流三流の人達が圧倒的に多いということです。勿論一部には一流の人もいるかもしれませんが、私はそんな人の書き込みを見たことはありません。
一流の人達はあるいは上級の公務員たちは国家機密を漏らせませんし、大局的判断をしているのです。
そんなことも、有るかもしれないくらいに読んでくださいね。
「STAP細胞はあるなしに関らず、国家的に放棄された」ということです。
犠牲者は小保方、若山、笹井の各氏と共にCDB組織職員たちでした。
この辺で言いたいことを書いたので、このブログの書き込みはこの辺にしたいと思います。